共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2023年3月

法的判断の構造とモデル化の探求:AIはリーガル・マインドを持てるか?

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
18H03612
体系的課題番号
JP18H03612
配分額
(総額)
42,380,000円
(直接経費)
32,600,000円
(間接経費)
9,780,000円

法的判断の専門家としての法律家が持つとされる「リーガルマインド」は,紛争事実関係をルールの要件に当てはめて結論を導く思考様式であるとされる(「要件―効果型思考様式」.反面,このような思考様式は一般人のルールに対する遵守や違反の際にも見られる.両者の間の相違を脳科学的に探求するとともに,ルール遵守ができないために少年院や刑務所に入った者の思考様式についても比較する研究を進捗させている.
本研究では,fMRI装置(機能的磁気共鳴画像装置)やアイ・トラッキング装置などの先進技術を活用した実験,フィールド・エクスペリメント,更には脳内物質オキシトシンの分泌の有無と程度の調査など,文理を越えた多角的かつ学際的手法を駆使して,リーガルマインドにアプローチし,近時発達が著しいAIによる裁判支援システムのモデル化の基盤を提供している.
法的判断をfMRIに入って参加者(被験者)に判断をしてもらうという実験データの蒐集を実施した.法専門家十数名と一般人十数名について,データを蒐集し,テンポラリーな成果を得ている.また,八街少年院と島根あさひ社会復帰促進センターの協力を得て,少年数名と囚人数名の脳内物質の分泌の有無と程度,アイトラッキングテストなどによるデータ蒐集を実施し,テンポラリーな成果を上げた.
リーガルマインドの脳科学的知見を組み込んだ「AIによって支援される裁判所」について,どのような内容のどのような支援法式のシステムであれば,国民によって最も信頼され受容されるかについて,昨年度プレリミナリーな調査を実験計画法を用いて実施した.
以上のテンポラリーな成果は,2018年7月の日本神経科学大会(神戸),9月のヒト脳イメージング研究会(玉川大学),9月のRCSLリスボン大会,2019年3月のパリのLegal Data Mining Conferenceなどで国の内外に情報発信をした.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18H03612
ID情報
  • 課題番号 : 18H03612
  • 体系的課題番号 : JP18H03612

この研究課題の成果一覧

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