共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年7月 - 2023年3月

移動型加振源とレーザー振動計を用いた鉄道構造物の高速検査技術

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
20K21013
体系的課題番号
JP20K21013
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
6,240,000円
(直接経費)
4,800,000円
(間接経費)
1,440,000円

加振器とレーザー振動計を用いて、コンクリート構造物内部のひび割れや空隙を高精度に検査する走査式の非破壊検査法を開発する。2つの個別要素技術 (ハードとソフト) の進捗状況を以下に示す。
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個別要素技術1 (ハード開発): 加振器とレーザー振動計を一体化させた走査ワゴンを試作し、空隙を埋め込んだコンクリート試験体による基礎検討を行った。レーザー振動計の測定精度を十分に確保するためには、構造物表面に対してレーザーを垂直に当てる必要があることや、ワゴンの走行に伴う振動の低減が容易でないなど、予定していた走査ワゴンの開発は難航した。代わりの方法として、接触式加速度センサを用いた測定方法に切り替えた。その結果、構造物表面に0.5秒間センサを接触させる方法により、構造物内部の劣化・損傷を精度よく推定できることが示された。つまり、キャタピラー機構で移動しながら、0.5秒間、加振器とセンサを構造物表面に接触させれば、高精度、高速、安価かつ簡便に構造物内部の点検が可能になると考えられる。
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個別要素技術2 (ソフト開発): 接触式センサを用いて時刻歴加速度波形を測定し、フーリエ解析によって周波数応答関数に変換するプログラムを作成した。さらに、健全状態での周波数応答関数のみを学習データにして、機械学習による異常検知を行った。空隙を埋め込んだコンクリート試験体と、荷重によってひび割れを与えたRCはり試験体を対象として、振動測定と機械学習による異常検知を試みた。その結果、畳み込みオートエンコーダ―による異常検知は、従来のモーダルパラメータに着目する方法よりも、高精度かつ簡便にコンクリート内部の空隙やひび割れを検知できることが示された。個別要素技術1と2を組み合わせることで、高速かつ効率的に構造物内部を点検し、劣化箇所と劣化程度を可視化できることが示唆された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K21013
ID情報
  • 課題番号 : 20K21013
  • 体系的課題番号 : JP20K21013