共同研究・競争的資金等の研究課題

2005年 - 2008年

組織間におけるメタ・マネジメントの研究―SCMを中心として

日本学術振興会  科学研究費助成事業  若手研究(B)

課題番号
17730251
体系的課題番号
JP17730251
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
1,900,000円
(直接経費)
0円
(間接経費)
0円
資金種別
競争的資金

当研究では組織間におけるメタ・マネジメントを主題としている。「メタ・マネジメント」とは、組織間をまたぐマネジメントの展開の前提として、対象の操作可能性を獲得する「場」を構築するムーブメントとしている。特に実務面および研究面のいずれから見ても、組織間マネジメントの中ではSCMが先行していることから、当研究における焦点の比重は特にSCMに置いている。
本年度においては、特にSCM部門が主導するメタ・マネジメントに焦点を置いた。2000年以降、日本企業でSCMの導入が本格化する中、SCM部門の設立が相次いだ。そのねらいはサプライチェーンに関連した取組みの推進にあり、それが当部門のミッションとなっている。サプライチェーンの再構築は組織間の対立構造に阻まれる傾向があり、それを克服するための共通理解が必要となる。そのためには「場」の構築が必須となるが、その点に注目しSCM部門による「場」の展開への関与を考察した。
場の先行研究から導き出された場の構成要素に基づき、主として大手加工食品メーカーの事例に対して考察を行った。その結果、現状としてのSCM部門は、場の形成においては社内の取組みに対する充分な貢献がある一方、社外の取組みにおいては限界が存在することが明らかになった。寡占化が進みパワーを強める小売業者からSCMに関する提案がなされているが、その対応力に疑問を呈する結果となった。
以上の結果から、SCMにおいてメタ・マネジメントについて、部分的ながらもその存在と有効性を確認でき、かつ今後の問題点も明らかにされた。
以上に関連する研究成果について、学会誌への論文掲載(2本)と学会報告(2回)という形で公表を行なったことを申し添える。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17730251
ID情報
  • 課題番号 : 17730251
  • 体系的課題番号 : JP17730251