MISC

2007年3月

学士課程における地区活動の看護実践能力取得をめざした地域看護実習方法

千葉大学看護学部紀要
  • 細谷 紀子
  • ,
  • 本間 靖子
  • ,
  • 山田 洋子
  • ,
  • 佐藤 紀子
  • ,
  • 宮崎 美砂子

29
開始ページ
33
終了ページ
41
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
千葉大学

本報告の目的は,本学の地域看護総合実習において,地区活動の看護実践能力習得に向けて重視している教育内容と方法の特徴および学習成果の内容を明らかにし,それらの関連から学士課程における地区活動の看護実践能力習得をめざす地域看護実習方法を検討することである.平成18年度地域看護総合実習を対象に,その教育内容と方法,ならびに学習成果を検討材料とした.教育内容と方法は,地区活動を構成する看護実践である「家庭訪問を用いた地域の実態把握」,「地域のヘルスニ-ズの明確化」,「地区活動の一連の過程の実践」に関して実施した教員の行為を記述し,記述した内容をその性質ごとに分類し特徴を導き出した.学習成果は,学生が作成した地区活動計画内容とレポート記述内容から調べた.その結果,学生は,「地域活動の根拠となる住民個々の生の声を捉えるため,また住民個々の意識に働きかけるための手段としての家庭訪問の有効性」,「地区活動計画を作成する上で,常に根拠となるニーズ・事実に立ち返りながら考えることの大切さ」,「地区活動展開の土台として保健師が対象に関心を寄せることの大切さ」などを経験に基づいて学習していることが明らかになった.これらの学習成果をもたらした実習方法,すなわち,「家庭訪問を用いた地域の実態把握」と「地区活動の一連の過程の実践」を経験させる実習方法は,地区活動の看護実践能力習得に有効であると考えられた.そして,地区活動の看護実践能力習得の中核をなす教育は,「学生が実践する地区活動の質を高めることを意図し,教員もひとりの保健師としての立場で,判断力・実践力を発揮しながら学生の地域看護実践能力を補う」,「学生が地区活動計画を作成できるように,重要となる考え方や手順を具体的に示す」,「実習フィールドの対象者の安全・安心を確保する」であると考えられた.

リンク情報
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/110007326127
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN00142705
ID情報
  • ISSN : 0387-7272
  • CiNii Articles ID : 110007326127
  • CiNii Books ID : AN00142705

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