2017年4月 - 2020年3月
古代食の総合的復元による食生活と疾病の関係解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
- 課題番号
- 17H02393
- 体系的課題番号
- JP17H02393
- 配分額
-
- (総額)
- 15,600,000円
- (直接経費)
- 12,000,000円
- (間接経費)
- 3,600,000円
- 資金種別
- 競争的資金
平成30年度の古代食の総合的研究では、前年度に行った『延喜式』の「酢」の追加実験を行い、その結果発酵に成功し古代の史料に見える「酢」が完成した。この成果は第22回古代官衙集落研究会でも報告し、造酒司などの組織で製作する理由や、そこから出土する木簡の意義づけを行うことが出来、文献・考古学からも大変意義ある成果となった。また西大寺食堂院跡から出土した木簡や須恵器甕・製塩土器・種子などから判断して、食堂院では瓜などの漬物を作っていたと推測し、その製法を実証した。同様に、「正倉院文書」の写経所関係文書や最勝王経法会などの関係文書から、史料に見える「大豆餅」「小豆餅」の復元実験を試みた。さらに『延喜式』や木簡に見える「生鮭」についても、保存期間や保存方法について実験を行った。
調理部門では、土器片のコゲの蛍光X線分析など化学分析を行い、鈴鹿市の資料について新たな知見が得られたので、今年度報告する予定である。土器の調理と同時に淡水魚などの調理も行った可能性がある。またモデル土器による炊飯実験も行い、改めてうるち米の炊飯の難しさが証明された。しかし土器外面のススの付き方や、内面の状況、炊飯温度など、さまざまなデータを収集することが出来、次の実験への課題が見つかった。
一方、次年度の栄養学からの分析を行うために、奈良時代の食生活のエネルギー産生バランスを数値的に検討し、当時の食生活や疾病状況を推定し、現代の食生活の課題解決のための基礎資料作成を目的とする研究に着手している。
これらの研究成果については、本学紀要を始め分析化学討論会・日本家政学会・日本栄養改善学会等でも口頭発表する予定である。前年度の研究実績である「古代における「クキ」の復元」、「『延喜式』に見える古代の酢の復元」については、『東京医療保健大学紀要』13-1に報告した。
調理部門では、土器片のコゲの蛍光X線分析など化学分析を行い、鈴鹿市の資料について新たな知見が得られたので、今年度報告する予定である。土器の調理と同時に淡水魚などの調理も行った可能性がある。またモデル土器による炊飯実験も行い、改めてうるち米の炊飯の難しさが証明された。しかし土器外面のススの付き方や、内面の状況、炊飯温度など、さまざまなデータを収集することが出来、次の実験への課題が見つかった。
一方、次年度の栄養学からの分析を行うために、奈良時代の食生活のエネルギー産生バランスを数値的に検討し、当時の食生活や疾病状況を推定し、現代の食生活の課題解決のための基礎資料作成を目的とする研究に着手している。
これらの研究成果については、本学紀要を始め分析化学討論会・日本家政学会・日本栄養改善学会等でも口頭発表する予定である。前年度の研究実績である「古代における「クキ」の復元」、「『延喜式』に見える古代の酢の復元」については、『東京医療保健大学紀要』13-1に報告した。
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 17H02393
- 体系的課題番号 : JP17H02393
この研究課題の成果一覧
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MISC
1-
季刊考古学 159 33-35 2022年5月 招待有り筆頭著者
書籍等出版物
2-
吉川弘文館 2021年6月2日 (ISBN: 9784642046619)
-
株式会社吉川弘文館 2021年6月
講演・口頭発表等
4-
第68回日本栄養改善学会学術総会 2021年10月
-
科研費「古代食の総合的復元と疾病との関係解明」シンポジウム 2020年9月13日 科研費「古代食の総合的復元と疾病との関係解明」研究班
-
「古代食の総合的復元と疾病との関係解明」シンポジウム 2020年9月13日
-
第66回日本栄養改善学会学術総会講演要旨集 2019年5月