共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年6月 - 2023年3月

ケミカルプロテインノックダウン技術の開発と細胞制御

日本学術振興会  科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)  新学術領域研究(研究領域提案型)

課題番号
18H05502
体系的課題番号
JP18H05502
配分額
(総額)
229,710,000円
(直接経費)
176,700,000円
(間接経費)
53,010,000円

E3リガンドとしてβnaphthoflavoneを導入し、ユビキチンリガーゼAhRを利用して標的タンパク質を分解するキメラ化合物を新たに開発した。ペプチド型SNIPER(PROTAC)開発では、核内受容体に高い親和性を有するペプチド(PERM3)に各ユビキチンリガーゼ(XIAP、VHL、CRBN)のリガンド(LCL161、AHPC、pomalidomide)をコンジュゲートしたペプチド型キメラ化合物を合成し、いずれもER、ARに対して分解活性を有することを明らかにした。核酸型SNIPER(PROTAC)の開発においては、ERに高い結合力を有するオリゴ核酸のスクリーニング、細胞評価系の構築を行い、ER転写活性化を阻害できる配列を見出した。
神経変性疾患の疾患関連タンパク質を分解誘導するSNIPER化合物を、中枢薬らしい化学構造にすべく構造展開し、分子量の低減と水素結合受容体・供与体数の低減に成功した。ユビキチンリガーゼcIAP1のリガンド結合部位とリガンドのX線複合体結晶解析に成功した。
がん特異的融合タンパク質BCR-ABLは細胞内で分解されやすいが、慢性骨髄性白血病細胞の中ではUSP25によって脱ユビキチン化を受け分解を免れている事を明らかにした。
サリドマイドにより分解が誘導されるCRBNの新規ネオ基質p63がサリドマイド催奇形性にかかわることを証明した。p63にはΔNp63とTAp63という二つのバリアントがあるがいずれもサリドマイドで分解され、ΔNp63の減少が四肢(胸びれ)異常を、TAp63の分解が耳の異常を引き起こした。また、血管新生にかかわる新たなCRBNネオ基質等を明らかにした。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PLANNED-18H05502
ID情報
  • 課題番号 : 18H05502
  • 体系的課題番号 : JP18H05502