共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

革新的中分子医薬品創出を目指したペプチドフォルダマー研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
21K05320
体系的課題番号
JP21K05320
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

様々な非天然型アミノ酸を含むことで特殊な立体構造を形成(フォルダマー)する中分子ペプチド医薬品の開発が活発化している。これらのペプチドは、従来の医薬品では達成できなかった治療効果が期待でき、化学合成による製造が可能でコストの問題を回避できることから、次世代の医薬品モダリティのひとつとして期待されている。それらのペプチドの立体構造に着目すると、環状構造、あるいは安定なヘリカル構造を形成できる中分子ペプチドの開発が盛んである。特に、ヘリカル構造はDNAや他のタンパク質を認識する上で重要な役割を果たしているため、安定なヘリカル構造を形成できるペプチドの合理的設計は高機能中分子医薬品を開発する上で重要なアプローチのひとつである。
本研究では、ヘリカル構造制御のビルディングブロックとして汎用されるα,α-ジ置換アミノ酸、β-アミノ酸、アミノ酸側鎖架橋(ステープル)等を組み合わせることで、高度かつ精密にヘリカル構造を形成できるペプチドの開発とそれらを利用した創薬研究、すなわち、「革新的中分子医薬品創出を目指したペプチドフォルダマー研究」を行うことを目的とした。
令和3年度は、WntシグナルにおけるTCFとβ-カテニン複合体の形成が転写活性化を引き起こし、多くの発がんに寄与していることに着目し、TCFとβ-カテニン複合体形成を阻害する中分子ペプチドの開発を行った。10数種類のペプチドを設計・合成し、タンパク質レベルでの結合活性評価、及び細胞を用いた生理活性評価を行い、Wntシグナル経路に特異的な阻害剤になり得るリードペプチドを見出した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K05320
ID情報
  • 課題番号 : 21K05320
  • 体系的課題番号 : JP21K05320