2020年
電気けいれん療法が奏功した経過28年の特定不能の精神病性障害-遅発緊張病の概念が有用であった一例-
仁明会精神医学研究
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- 巻
- 18
- 号
- 1
- 開始ページ
- 98
- 終了ページ
- 104
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (一財)仁明会
経過28年の治療抵抗性の精神疾患患者(60代後半女性)に、特定不能の精神病性障害である遅発緊張病の疾患類型に焦点を当て、電気けいれん療法を行った結果、精神状態の安定化につながった症例について報告した。患者は30代後半に反復性の抑うつ症状で発症し、その20年後から口腔内の体感幻覚を中心とした活発な幻覚、妄想、不安焦燥、緊張病症状といった多彩な病像を展開し、その時々に前景に立った症状からうつ病、セネストパチー、統合失調症、身体表現性障害などと診断され、その時の状態像に応じた薬物治療が行われたがいずれも奏功しなかった。最終的に遅発緊張病という疾患類型に焦点を当て、電気けいれん療法を治療の中心に位置づけたことで、精神状態の安定化を図ることができた。遅発緊張病は、時間をかけて順次展開する病像を特徴とする古典的な「疾患類型」であり、今日の操作的診断基準の枠内では、ある一つの診断に収束することは難しいとされている。現行の操作的診断基準に準拠した治療では抵抗性を示す症例の中には、古典的な疾患概念に立ち返ることが、病態の理解や治療方針の決定に有用となる症例が少なからず存在しているのではないかと考えられた。
- リンク情報
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- J-GLOBAL
- https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=202002233963419720
- URL
- https://search.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&pub_year=2020&ichushi_jid=J06657&link_issn=&doc_id=20201008580007&doc_link_id=%2Feu1jinme%2F2020%2F001801%2F010%2F0098-0104%26dl%3D0&url=http%3A%2F%2Fwww.medicalonline.jp%2Fjamas.php%3FGoodsID%3D%2Feu1jinme%2F2020%2F001801%2F010%2F0098-0104%26dl%3D0&type=MedicalOnline&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F00004_2.gif
- ID情報
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- ISSN : 2434-6888
- 医中誌Web ID : 2021015364
- J-Global ID : 202002233963419720