2020年4月 - 2023年3月
コア-シェル型ナノ触媒の創製とその特性に基づいた革新的分子変換反応系の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
1.スルホキシドの脱酸素反応に高活性を示すリン化ルテニウム触媒の開発(1)
ルテニウムとリンとを合金化した直径約3ナノメートルのナノ粒子触媒(Ru-P/SiO2)は、スルホキシドからスルフィドへの脱酸素反応において、リン化していないルテニウムナノ粒子に比べ10倍の活性を示し、その触媒回転数は世界最高値を示した。分光学的手法による触媒の構造解析や理論計算から、Ru-P/SiO2では、硫黄が強く吸着するサイトの数がルテニウムに比べて8分の1と少ないため、触媒表面への硫黄化合物の吸着が起きにくく、高い耐久性が発現していることを明らかにした。触媒被毒の影響を抑えた高効率かつ長寿命な次世代型触媒プロセス構築の基礎技術になると期待できる。
2.エステルからエーテルへの直接水素化脱酸素反応を可能とする担持Pt-Mo触媒の開発(2)
白金ナノ粒子とモリブデン酸化物種を酸化ジルコニウム上に担持した触媒が、温和な条件下でエステルからエーテルへの水素化脱酸素反応を高選択的に促進することを見出した。種々のキャラクタリゼーションから、白金ナノ粒子と酸素欠陥を有するモリブデン酸化物種が、それぞれH2とエステルのカルボニル基を活性化する協奏的触媒作用により反応が促進することがわかった。本成果は、エステルを一段階で非対称エーテルへと変換する基礎技術になると期待できる。
1) H. Ishikawa, S. Yamaguchi, A. Nakata, K. Nakajima, S. Yamazoe, J. Yamasaki, T. Mizugaki, T. Mitsudome, JACS Au, 2022, 2, 419-427.2) K. Sakoda, S. Yamaguchi, T. Mitsudome, T. Mizugaki, JACS Au, 2022, 2, 665-672.
ルテニウムとリンとを合金化した直径約3ナノメートルのナノ粒子触媒(Ru-P/SiO2)は、スルホキシドからスルフィドへの脱酸素反応において、リン化していないルテニウムナノ粒子に比べ10倍の活性を示し、その触媒回転数は世界最高値を示した。分光学的手法による触媒の構造解析や理論計算から、Ru-P/SiO2では、硫黄が強く吸着するサイトの数がルテニウムに比べて8分の1と少ないため、触媒表面への硫黄化合物の吸着が起きにくく、高い耐久性が発現していることを明らかにした。触媒被毒の影響を抑えた高効率かつ長寿命な次世代型触媒プロセス構築の基礎技術になると期待できる。
2.エステルからエーテルへの直接水素化脱酸素反応を可能とする担持Pt-Mo触媒の開発(2)
白金ナノ粒子とモリブデン酸化物種を酸化ジルコニウム上に担持した触媒が、温和な条件下でエステルからエーテルへの水素化脱酸素反応を高選択的に促進することを見出した。種々のキャラクタリゼーションから、白金ナノ粒子と酸素欠陥を有するモリブデン酸化物種が、それぞれH2とエステルのカルボニル基を活性化する協奏的触媒作用により反応が促進することがわかった。本成果は、エステルを一段階で非対称エーテルへと変換する基礎技術になると期待できる。
1) H. Ishikawa, S. Yamaguchi, A. Nakata, K. Nakajima, S. Yamazoe, J. Yamasaki, T. Mizugaki, T. Mitsudome, JACS Au, 2022, 2, 419-427.2) K. Sakoda, S. Yamaguchi, T. Mitsudome, T. Mizugaki, JACS Au, 2022, 2, 665-672.
- ID情報
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- 課題番号 : 20H02523
- 体系的課題番号 : JP20H02523