共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2023年3月

〈文芸としての覚書〉に関する資料学的基礎研究:文禄・慶長の役関連文献を中心に

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K00330
体系的課題番号
JP19K00330
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

本研究では、16世紀後半にさまざまな戦場を体験した武士とその子孫たちが、主に17世紀以降に記した〈覚書〉と呼ばれる資料群を主な分析対象とし、その伝存状況の把握と文芸資料としての意義の解明と定位を目的としている。本年度は、昨年度までに得た展望を踏まえ、関連資料の調査と研究打ち合わせを目的として、国内外での資料調査を予定していたが、コロナ禍の影響が続き、調査出張の計画は大幅に縮小せざるをえなかった。海外調査はすべて中止、国内ではわずかに、鹿児島県歴史・美術資料センター黎明館、佐賀県立名護屋城博物館、大阪大学総合図書館などに赴いたのみとなった。調査先では、資料の原本等を閲覧し、書誌情報を記録し、デジタルカメラで撮影した。また、佐賀県立名護屋城博物館では、2020年9月18日~11月8日に企画展「「鬼島津」が遺したもの――島津義弘と文禄・慶長の役――」が開催されたが、同企画展を担当した学芸員村松洋介氏が、展示の一部に、本研究課題の一環として、氏と同行するかたちで2019年度におこなった韓国・南原市での実地調査・資料調査の成果等を踏まえた内容を盛り込んでくださった。成果の社会還元が困難であったこの一年では、貴重な機会を提供していただくことができた。
出張による資料収集が困難であったため、次年度以降の対応に向けて、資料面での充実をはかることをめざし、必要な図書・論文・資料などを購入またはコピーして収集した。
また、昨年度以来継続している〈文芸としての覚書〉資料の所在確認についても、着実に情報を蓄積している。来年度にも引き続きいっそうの充実をはかる。
資料翻刻については、薩摩藩内に伝わる『諏訪の本地』の学界未紹介の伝本の翻刻を進め、すでに投稿を済ませた(2021年度中刊行予定)。その他、2020年度のうちに、本研究の成果を盛り込んだ雑誌論文を1点、公表することができた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K00330
ID情報
  • 課題番号 : 19K00330
  • 体系的課題番号 : JP19K00330

この研究課題の成果一覧

論文

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