2009年3月
「アミーナ・ワドゥードのクルアーン(コーラン)解釈方法論 ―ファズルル・ラフマーン理論の継承と発展―」
国際学研究
- 巻
- 号
- 35
- 開始ページ
- 21-38
- 終了ページ
- 52
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 明治学院大学国際学研究会
本稿は,アフリカ系アメリカ人女性で,イスラームに改宗したA.ワドゥード(1952 年生)のクルアーン(コーラン)解釈書『クルアーンと女性』に焦点を当て,クルアーン解釈史という文脈でその意義を問うものである。本解釈書はその解釈方法論を,パキスタン出身でアメリカの学会で大きな影響力を持ったF.ラフマーン(1988 年没)の「二重運動理論」によっている。だが実際にはこの理論のみではワドゥードの解釈は成立できなかったと考えられる。ワドゥードは「前提テクスト」という概念を導入することで,現実のジェンダー問題の解決策をクルアーンに求めることを試みた。このことから,ラフマーンの「二重運動理論」が実際にクルアーン解釈を行うには抽象的すぎ,ワドゥードの「前提テクスト」概念の導入によって,これまで回避されてきた「個人的見解」の明白な肯定がなされることで,新しいクルアーン解釈が可能となったことが明らかになった。
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 0918-984X
- CiNii Articles ID : 120005301259
- CiNii Books ID : AN1002513X