受賞

2019年9月

論文賞

環境科学会
  • 碓井健寛
  • ,
  • 田崎智宏

タイトル
小売業者のリデュース取組はすすんだのか?
受賞区分
学会誌・学術雑誌による顕彰
受賞国・地域
日本

表彰理由:
本論文は、小売業者が実施している容器包装のリデュース取組がどれだけ有効であるかをパネルデータ分析によって明らかにしたものである。容器包装リサイクル法においては、容器包装の多量利用事業者に対する取組が強化され、2007 年度以降、年間 50 トン以上の容器包装を利用する事業者にその削減の取組状況を定期報告するよう義務づけている。本論文では、この報告データのうち、コンビニエンスストアとスーパーマーケットの 5 年間の容器包装使用量データを用いて、1)容器包装の有償化、 2)景品等の提供、3)繰り返し使用が可能な買物袋等の提供、4)消費者の意思確認、5)量り売りという 5 つの取組の効果を分析し、有償化だけが有意な減量効果を持つことを明らかにした。
本論文は、研究事例の少ない事業者のリデュース取組について実証的な知見を得ており学術的に意義があるだけでなく、プラスチック資源循環戦略や G7 海洋プラスチック憲章などの最新ならびに国際的な政策動向の方向性にも知見を与える優れた論文であると評価できる。以上より、本論文は、本会の論文賞に値すると考えられる。

リンク情報
URL
https://www.ses.or.jp/docs/prize/2019/2019prize_report.pdf