共同研究・競争的資金等の研究課題

2004年4月 - 2006年3月

糖鎖を標的とした肝癌遺伝子治療戦略

科学研究費補助金  

資金種別
競争的資金

本研究では,AFPをはじめとするフコシル化糖蛋白とその酵素学的背景であるFut8発現を指標として,肝癌組織中の糖鎖転移酵素遺伝子高発現および低発現遺伝子をスクリーニングし,それらの遺伝子ならびにその糖蛋白の同定を試みた.まず,Fut8活性抑制による糖鎖構造変化と,それに伴う肝癌細胞の浸潤動態の変化を細胞系列の樹立によって評価した.Fut8アンチセンスRNAによる発現抑制実験を行い,アンチセンスRNAをHepG2細胞にリポフェクションした系のフコシル化分画は抑制されている事を確認した.次に,Fut8に対するsiRNAの持続発現により,AFPのフコシル化が安定して抑制されるsiRNA持続発現株の樹立を試みた.Fut8 mRNAの1002塩基のAA配列に続く19塩基配列からなる配列を,polymerase-III H1-RNA gene promotorの制御下に,ポリA配列を欠き3'端にUU突出を有するRNAが転写されるベクターであるpSUPER.retro(OligoEngine, USA)にクローニングした.また,配列特異的発現抑制を確認するため,19配列の第9塩基をGからAに置換した変異配