2020年4月
【最近のトピックス2020 Clinical Dermatology 2020】新しい検査法と診断法 掌蹠膿疱症における金属アレルギーの対応
臨床皮膚科
- 巻
- 74
- 号
- 5
- 開始ページ
- 77
- 終了ページ
- 80
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (株)医学書院
<文献概要>歯科金属アレルギーは扁桃病巣や喫煙と並んで掌蹠膿疱症の発症要因の1つとされるが,歯科金属を除去しても症状が改善しない症例がある.われわれは金属パッチテストを実施した掌蹠膿疱症257例を対象に歯科金属除去と金属含有食品の摂取制限の効果について,歯性病巣や扁桃病巣治療の影響も併せて調査した.歯科金属除去例に治癒した症例はなく,パッチテスト陽性金属を含む補綴物を除去せずに治癒した症例があった.治癒例のほとんどが歯性病巣の治療を受け,半数近くは扁桃を摘出した.歯科金属除去後に著明改善または改善した症例も,その多くが歯性病巣を同時に治療された.歯科金属除去群と非除去群で皮膚所見の改善度に有意差はなく,歯科金属除去を検討する前に病巣感染の治療を優先して良いと結論した.ただしニッケル(Ni)については,Ni含有歯科金属の除去やNi含有食品の摂取制限が有効な症例があり,病巣を除いた上でNi除去を検討して良いと考える.
- ID情報
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- ISSN : 0021-4973
- eISSN : 1882-1324
- 医中誌Web ID : U528250021