2020年
Baを取り込んだカルサイト中の炭酸イオンの挙動
日本地球化学会年会要旨集
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- 開催年月日
- 2020年 - 2020年
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 主催者
- 一般社団法人日本地球化学会
Baを取り込んだカルサイトの挙動について報告する。粉末X線回折パターンにおいて、Ba/(Ca+Ba) = 0.25以上で113反射が消失した。純粋なカルサイトでは1250 K付近で113反射が消失し、炭酸イオンの回転無秩序化に起因する可能性が報告されている。しかし、本研究では91 Kでも113反射が消失し、DSCで回転無秩序化に相当する熱の出入りが検出されなかった。また、Baを含むカルサイトの13C MAS NMRスペクトルや赤外吸収スペクトルの結果は、Baを含むカルサイトでは各炭酸イオン周辺のカチオン分布が異なり、Ba濃度の増加に伴って炭酸イオンの対称性が低下することを示している。以上の結果より、Baを含むカルサイト中の炭酸イオンは回転無秩序状態ではなく、静的無秩序状態であることが強く示唆される。