MISC

2019年9月

【精神疾患により長期療養する労働者の病状の的確な把握方法及び治ゆの判断に係る臨床研究】産業医の立場からの長期療養者の就労可否判断

産業精神保健
  • 渡部 真弓
  • ,
  • 鎌田 直樹
  • ,
  • 田中 克俊

27
3
開始ページ
201
終了ページ
206
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本産業精神保健学会

精神疾患による長期療養者の事例検討を行い、長期療養に至る現状の課題を整理し、産業医の立場からの長期療養者の就労可否判断において注目すべき事項について検討した。10年以上の専属および嘱託産業医経験をもつ医師10名が参加して検討を行った。長期療養者の復職の可否判断に関する現状の課題として、労働者個人の心理行動(疾病)特性、就業上の措置が適切に行われないこと、休業中のケアおよび生活の状況、主治医以外の専門医によるアドバイス、主治医との情報交換不足の主な六つに整理された。休業の長期化および休復職の繰り返しを予防するためには、すべてが重要な課題であり、復職可否の判断に関しては、労働者個人の心理行動(疾病)特性をきちんと把握することなどが有用と判断されたが、復職準備性の評価においては、気分や思考面の評価よりも復職前の生活における行動評価がもっとも信頼性が高いという結論に達した。

ID情報
  • ISSN : 1340-2862
  • 医中誌Web ID : 2019399620

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