論文

2016年11月

資金授受に立脚した国民経済計算体系の構築 ―コープランドの原点に立ち戻ったGDPを補完する新たな指標―

立正大学「経済学季報」
  • 辻村 雅子
  • ,
  • 辻村 和佑

66
1・2
開始ページ
1
終了ページ
53
記述言語
日本語
掲載種別
研究論文(大学,研究機関等紀要)

バブル崩壊やサブプライム危機など、経済の節目となる事象は金融市場の混乱が実物市場に波及する形態をとることが指摘される。残念ながら今日、世界各国で公表されている資金循環統計は、金融市場取引のみの記述に止まり、実物市場取引を包含しない。本研究では経済主体間の資金授受に着目することで、実物・金融の両市場を包括する国民経済計算体系を提案する。また既存の国民経済計算をもとに、産業連関表等各種の統計資料を併用することで、資金の授受を伴わない帰属計算分をはがして、部門別の資金授受に関する統計を作成し、さらにこれを加工することで、制度部門×制度部門形式の資金循環行列の作成を試みる。これを用いて近年の資金循環構造変化を分析することが、本研究の目的である。

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