2012年
裁定取引による投資戦略 : 共和分検定法の差異について
三田商学研究
- ,
- 巻
- 54
- 号
- 6
- 開始ページ
- 33
- 終了ページ
- 54
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 慶應義塾大学出版会
論文投資戦略として, 共和分関係に基づく裁定取引は利益をあげることができるであろうか。本稿では, 銘柄選択の恣意性を排除するため, 5つの業種平均と株価指数の合計6個の変数間の共和分関係を取り上げる。日本・英国・米国の株式市場のデータを用いると, 3カ国とも非常に多数の共和分関係が見出される。そこで共和分関係にある業種の組合せを使って, 業種ポートフォリオと株価指数との間の裁定取引をシミュレーションする。その結果, 裁定は全体的には十分有効に機能し, 収益率の平均は年率5%~10数%ほどである。ただし, 共和分検定の手法として, Engle-Grangerテストを用いた場合は問題ないが, Johansenテストの場合は, 推計された共和分ベクトルをそのまま用いることには無理がある。何らかの基準を用いて, これを選別することが必要不可欠になる。選別すれば, 裁定取引の収益率平均とその標準偏差はEngle-Grangerテストの場合と概ね類似したものとなる。
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 0544-571X
- CiNii Articles ID : 120004442573
- CiNii Books ID : AN00234698