2004年
Paleoclimate analysis using tufa deposits a case study in Niangziguan, Shanxi Province, China
Earth Science (Chikyu Kagaku)
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- 巻
- Vol. 58, 305-316
- 号
- 5
- 開始ページ
- 305
- 終了ページ
- 316
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.15080/agcjchikyukagaku.58.5_305
- 出版者・発行元
- 地学団体研究会
北部中国山西省娘子関のトゥファの産状と安定同位体組成には古気候情報が記録されている.従来の研究によると,酸素同位体ステージ3にあたる5.5-3.5万年前にトゥファの堆積が最も盛んであった.この時期に堆積したトゥファの中には方解石結晶の粒度の違いを反映した縞状組織があり,酸素安定同位体比の高解像度分析結果により,これが年縞であることが示された.また,この古トゥファの酸素・炭素安定同位体比はいずれも現世トゥファの値よりも低い.水の酸素同位体比の値が同一であったと仮定すれば,この古トゥファが堆積した時期は現在よりも2-3℃気温が高かったと見積もられる.一方,低い炭素同位体比は土壌層での二酸化炭素生産が活発であるか,地下水系がより閉鎖的であった事を示唆する.トゥファの堆積作用が現在より活発であった酸素同位体ステージ3の期間には,大量の湧水が倒木を水没させる程度に深い流れを形成していた.活発なトゥファの堆積はより湿潤な気候を示す.この見積りは北部中国でのレス・古土壌シークエンスの研究結果と符合している.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.15080/agcjchikyukagaku.58.5_305
- ISSN : 0366-6611
- CiNii Articles ID : 110004860777
- CiNii Books ID : AN00141269