共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2022年3月

生態学的現象学による個別事例学の哲学的基礎付けとアーカイブの構築

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
17H00903
体系的課題番号
JP17H00903
配分額
(総額)
42,120,000円
(直接経費)
32,400,000円
(間接経費)
9,720,000円

2019年度は1)から3)までの項目について、当初の計画に沿って次のことを達成した。
1)事例アーカイブの構築: それぞれの担当者が事例アーカイブの構築を開始し、9月の日本心理学会大会において「アフォーダンスによる個別事例の研究:映像分析による事例の汎用性」と題した公募シンポジウムを企画し、綾屋紗月氏・喜多ことこ氏・山本尚樹氏・西尾千尋氏が事例アーカイブの報告を行った。3月末には、オンラインで、事例研究についての例会をもち、開発したアプリを使った長滝のスポーツ、熊谷の当事者研究、河野の哲学対話、直江の技術について報告し、今後の方向とアプリの改良について議論しあった。
2)基礎理論と方法論の構築: 個別事例学の基礎理論と方法論を、河野、染谷、田中が哲学と心理学の立場から研究成果を公表した。日本心理学会(河野、田中)と国際東アジア哲学会(河野、田中)でのシンポジウム、国際理論心理学会での個人発表(河野)などを行った。8月末には、A・チェメロ氏(シンシナティ大学)、J-M・ロワ氏(リヨン高等師範学校)、J・ヒー氏(華東師範大学)を招聘し、国際ワークショップ"Radial Embodied Cognition, East and West"を実施し、事例研究の基盤としての身体性認知について論じた。さらに、9月には、北海道大学にて「臨床神経学と現象学」というワークショップを開催し、臨床神経学のジョナサン・コール氏と柿木隆介氏を招聘し、河野と森がコメントした。
3)「知のエコロジカル・ターン」叢書刊行着手: 本研究の最大の成果として、河野らが編者となり、東京大学出版会より現象学と生態心理学を基礎とした単著シリーズ全10巻の執筆出版を進めた。本シリーズは、本科研費の参加者ほとんどが執筆陣に加わり、原稿は19年度中に6割ほど集まった。全体を調整した上で、2020年度中には出版する。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17H00903
ID情報
  • 課題番号 : 17H00903
  • 体系的課題番号 : JP17H00903

この研究課題の成果一覧

論文

  3

MISC

  1

書籍等出版物

  1
  • Yochai Ataria, Shogo Tanaka, Shaun Gallagher (担当:編者(編著者), 範囲:Shogo Tanaka - Chapter 5: Body schema and body image in motor learning: Refining Merleau-Ponty’s notion of body schema)
    Oxford University Press 2021年6月30日 (ISBN: 0198851723)

講演・口頭発表等

  8