2009年
イネ-ナズナFOX系統より選抜された病原細菌Pst 3000感染抵抗性系統の原因遺伝子の同定及び病害抵抗性機構の解析
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
- 巻
- 2009
- 号
- 0
- 開始ページ
- 961
- 終了ページ
- 961
- 出版者・発行元
- 日本植物生理学会
約13,000種類のイネ完全長cDNAをmixしてCaMV35Sプロモーター下流に連結し、アグロバクテリウムを介してシロイヌナズナに導入することにより、イネ完全長cDNA高発現シロイヌナズナ系統(イネ-ナズナFOX系統)が作出されている。演者らは2万以上のイネ-ナズナFOX系統を用いてシロイヌナズナの病原細菌Pseudomonas syringae pv tomato DC3000(Pst3000)に対する感染抵抗性系統をスクリーニングし、最終的に78系統選抜した(全体の約0.36%)。さらに、挿入遺伝子を同定し、再導入などによりこれまでに少なくとも25個のcDNAが病害抵抗性を再現することを確認した。これらのcDNAを順次、イネにも再導入・過剰発現して病害抵抗性検定を行っているが、新規のReceptor Like Cytoplasmic Kinaseをコードしていると考えられるcDNAの過剰発現イネは白葉枯れ病及びいもち病に対する複合抵抗性を示した。この遺伝子を過剰発現したシロイヌナズナはPst3000の感染時にサリチル酸のマーカー遺伝子であるPR1の発現がWTと同レベルなのに対して、エチレン/ジャスモン酸のマーカー遺伝子であるPDF1.2の発現が著しく増大したことから、エチレン/ジャスモン酸系の増強により抵抗性になっていることが示唆された。
- リンク情報
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- CiNii Articles
- http://ci.nii.ac.jp/naid/130006993443
- ID情報
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- CiNii Articles ID : 130006993443
- identifiers.cinii_nr_id : 9000391949935