1994年 - 1995年
虚血性内耳障害による感音性難聴の分子機構
文部科学省 科学研究費補助金(一般研究(C)) 一般研究(C)
- 課題番号
- 06671716
- 体系的課題番号
- JP06671716
- 担当区分
- 連携研究者
- 配分額
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- (総額)
- 2,200,000円
- (直接経費)
- 2,200,000円
- (間接経費)
- 0円
- 資金種別
- 競争的資金
I.1)内耳の蝸牛軸動脈からコイル状細動脈にはエンドセリンBレセプターが発現している。2)蝸牛内に直接エンドセリンを導入すると、蝸牛電位は急速に低下する。3)エンドセリンによる蝸牛電位の低下は、エンドセリンBレセプターの選択的アンタゴニストにより抑制される。4)虚血性内耳障害の一つの病態である突発性難聴症例では、その発症時に血清中エンドセリン値は高値を示す。5)虚血性内耳障害による感音性難聴の発症機構の一つの因子として、エンドセリンおよびそり受容体による内耳血流低下が考慮される。II.1)蝸牛血管条には、ATP-dependent potassium channelの一つであるKAB-2チャネルが発現しており、一過性内耳虚血による血管条でのATR量の変化は、同チャネルの生理機能に影響を与える。2)ATP-dependent potassium channelの阻害剤であるBa^<2+>を蝸牛動脈内に投与すると、蝸牛電位は可逆的な低下を示す。3)虚血性内耳障害による感音性難聴の発症機構の一つの因子として、虚血時の血管条におけるATP量の変化を原因とするATP-dependent potassium channelの機能異常が考慮される。III.1)内耳前庭系の有毛細胞と1次ニューロン間の神経伝達も、グルタミン酸受容体のAMPA型レセプターを介して行われる。2)前庭および蝸牛系において、虚血性変化として、AMPA型レセプターのGluR2サブユニットの変化が示唆される。蝸牛有毛細胞に発現するMAP-2は、一過性虚血に対して鋭敏な反応を示し、中枢神経系の発生初期段階に発現するMAP-2cの発現増加が認められる。4)これらの2つの分子は内耳の虚血性変化を示す良いマーカーと考えられる。
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 06671716
- 体系的課題番号 : JP06671716