共同研究・競争的資金等の研究課題

2015年5月 - 2020年3月

CRISPRによるRNA病モデルiPS細胞・動物の構築と病態解明・治療薬創製

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(S)  基盤研究(S)

課題番号
15H05721
体系的課題番号
JP15H05721
配分額
(総額)
199,940,000円
(直接経費)
153,800,000円
(間接経費)
46,140,000円

本研究は、①スプライシング操作化合物TG003およびRECTASのスプライシング介入ルールの解明、② スプライシング操作により治療可能な遺伝性疾患に適応できる化合物の予測と合成展開、③ CRISPR/Cas9法等で作製した疾患モデルiPS細胞やモデル動物による化合物の作用機序解明と有用性の実証を行い、ポストゲノム治療薬を創製する新しいケミカルバイオロジー分野の創出を目指している。本年度は、スプライシング変動によりGFP/RFPの発現が切り替わるdual reporterシステム(SPREADD)を用いた実験から、TG003が深部イントロン変異を有するNEMO異常症患者の偽エクソン発現を抑制する効果を持つことを明らかにし、患者iPS細胞を病態モデルとしたTNFα応答機能障害がTG003処理により改善することを見出し報告した(2019 J Clin Invest.)。また同様に深部イントロン変異により偽エクソンが発現するV型嚢胞性線維症に対してもTG003が偽エクソンの発現を抑制することを見出し、TG003からの化合物展開により、患者iPS細胞で原因遺伝子CFTRの発現回復効果を有する治療薬候補化合物の取得に成功した(投稿準備中)。RECTASについても、家族性自律神経異常症患者の線維芽細胞を用いたmRNA-seq解析と生化学的解析から作用メカニズムを解明し、家族性自律神経異常症モデルマウスと患者iPS細胞でもRECTASがスプライシングを正常化する作用のあることを確認できた(投稿準備中)。RECTASは偽エクソンによる心ファブリー病や、QT延長症候群にも効果があることが見出されたため、標的遺伝子を組み込んだSPREADD により最適化合物を検索するとともに、CRISPR/Cas9法によりモデル動物・iPS細胞を使った評価系を構築した。

リンク情報
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https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-15H05721/15H05721_saitaku_gaiyo_ja.pdf
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https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-15H05721/15H05721_kenkyu_shinchoku_hyoka_gaiyo_ja.pdf
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https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-15H05721/15H05721_kenkyu_shinchoku_hyoka_keka_ja.pdf
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https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-15H05721
ID情報
  • 課題番号 : 15H05721
  • 体系的課題番号 : JP15H05721