2020年4月 - 2025年3月
網膜メラノプシン細胞による生体への影響の解明:心理学・生物学・工学の手法を用いて
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
2000年頃、網膜にメラノプシン細胞と呼ばれる新たな光受容器が発見された。メラノプシン細胞は概日リズムや瞳孔の対光反射、明るさの知覚等、様々な影響を生体に与えることが報告されている。研究代表者は先行研究においてメラノプシン細胞のみを選択的に刺激することが可能な刺激装置を開発し、メラノプシン細胞の生体への機能解明に取り組んでいる。本研究課題では、メラノプシン細胞の生体への影響を実験心理学、生物学、工学的手法を用いて包括的に解明することを目指す。2020年度は、辻村らが開発した多原色光源刺激装置を用いて、メラノプシン細胞のみを選択的に刺激し、明るさ知覚への寄与に関する実験を立ち上げた。従来の刺激条件よりも自然光に近いスペクトラムを用いた。このことにより、より自然環境に近い光環境で実験を進めることが可能となることが期待される。この実験環境によって、心理物理学実験を実施し、基礎的なデータを取得した。国立台湾大学とメラノプシン細胞の視聴覚統合過程への影響に関する論文、および高知工科大学とメラノプシン細胞の明るさ知覚への寄与についての論文をまとめた。
さらに国立台湾大学との共同研究を進め、メラノプシン細胞の明るさコントラスト感度への寄与について、詳細にデータを解析し現在論文の執筆中である。工学的研究ではこれまでに得られた知見をもとに新たな多原色光源刺激装置を試作した。従来の装置と比較して、光源を安定化させることにより、高精度の刺激の提示が可能になることが期待される。2021年度には装置の性能をより詳細に検証し、引き続き開発を実施する予定である。
さらに国立台湾大学との共同研究を進め、メラノプシン細胞の明るさコントラスト感度への寄与について、詳細にデータを解析し現在論文の執筆中である。工学的研究ではこれまでに得られた知見をもとに新たな多原色光源刺激装置を試作した。従来の装置と比較して、光源を安定化させることにより、高精度の刺激の提示が可能になることが期待される。2021年度には装置の性能をより詳細に検証し、引き続き開発を実施する予定である。
- ID情報
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- 課題番号 : 20H00614
- 体系的課題番号 : JP20H00614
この研究課題の成果一覧
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論文
1-
2023 24th International Conference on Control Systems and Computer Science (CSCS) 2023年5月25日
講演・口頭発表等
1-
43rd European Conference on Visual Perception 2021年8月27日