基本情報

所属
近畿大学 産業理工学部 情報学科 教授
産業技術研究科 電子情報工学専攻 産業理工学部 情報学科 情報総合学研究室 教授

J-GLOBAL ID
200901039875272006
researchmap会員ID
5000077539

外部リンク

改稿中 以下のものは,ニュートン誌に掲載して頂いたものの一部.

素数があらわす神秘の世界

世紀の難問リーマン予想が解かれたとき,何がわかるのか

世界中の数学者たちが何年も頭を悩ませ,それでも解けなかったような超難問がある。たとえばポアンカレ予想の解決には 1世紀以上がかかり,フェルマーの最終定理は実に 350年かけて証明された。それでも未解決の問題が残っている。リーマン予想である。近畿大学産業理工
学部の金光滋教授も,この難問に挑みつづけている研究者の一人だ。

金光滋教授。「素数の分布は宇宙と関係がある」,「リーマン予想は未解明であるにもかかわらず,あらゆる科学に出てくるので非常に興味深い」と語る。
古来,数学者をひきつけてやまない数がある。素数である。素数とは, 1とその数自身以外に正の約数をもたない数のことである。たとえば, 2,3,5は素数だが, 6は素数ではない。なぜなら, 6= 2×3であり, 1と 6以外にも 2と 3の二つの約数をもつからだ。
素数は一体いくつあるのか。答えは「無限」である。これはすでに紀元前 3世紀頃に,古代ギリシアのユークリッドが証明済みだ。実際,素数は 100までに 25個, 1000までに 168個, 100万までに 78,498個, 10億までに 50,847,534個, 1京までには24,739,954,287,740,860個あることがわかっている。

なぜ数学者は素数にひかれるのか

近畿大学産業理工学部の金光滋教授も,素数の魔力に引き寄せられた。教授は語る。「大学生のときに出会った本の 1行目,『素数の分布は神秘的である』という言葉に衝撃を受けました。それ以来,素数の世界にはまったのです」。
素数の分布を 100を区切りとして 2000までみていくと,どうなるか。 100までが 25個と最多で, 101から 200までが 21個となる。その後は少しずつ減っていき, 1301から 1400までの間には 11個しかない。ところが 1401から 1500では 17個に増える。しかも 1300台では 1327の次が 1361と大きく間があくのに対し, 1400台では 1481,1483,1487,1489と短い間隔に四つもの素数が詰まっている。こうした素数の分布には,何の脈絡もないようにみえる。 けれども,そこに何かのルールを見出そうとするのが数学者の性だ。 n番目の素数を, nそのものを使って導き出す公式は,今のところ見つかっていない。
ただ n以下の素数の数を近似的にあらわす定理はある。これはガウスが発見した「素数定理」とよばれ,次の式によってあらわされる。


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ゼータ関数と素数の関係,そしてリーマン予想へ

素数定理により,素数分布がおおまかにわかるようになると,より正確さを求めるのが数学者である。次に素数に関する研究を 1ステップ進めたのはオイラーである。
オイラーは,まず「ゼータ関数」を発見した。これは,次の式であらわされる関数だ。

111111

ζ(s)=1+─+─+─+─+─+─…

ここからオイラーは,この関数と素
数をつなぐ次の式を発見した。


ζ(s)─×────×…



※赤字がすべての素数
やがてリーマンが,ゼータ関数の変数 sを複素数にまで拡張した上で発表したのが「リーマン予想」である。
リーマン予想は,ゼータ関数の値がゼロになるのは臨界線上のみであることを予想したものだ。
現代数学の数論の中には,このリーマン予想を元に組み立てられているものが多くあり,その関連領域を数学以外にも広げている。金光教授も,リーマン予想へのアプローチを通じて,物理学や分子生物学へと,その研究領域を広げてきた。
「リーマン予想はあらゆる科学に登場します。その解明に挑戦する若者が増えればと願っています。リーマン予想が解明されたとき,科学は大きく前進するはずですから」と金光教授は語る。

研究キーワード

  2

論文

  56

MISC

  3

書籍等出版物

  10

講演・口頭発表等

  44