1995年12月
ヘンリー・ジェイムズと消費社会-『ポイントンの蒐集品』における物の価値
『山梨英和短期大学紀要』,山梨英和短期大学
- 巻
- 号
- 第29号
- 開始ページ
- 158
- 終了ページ
- 170
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
19世紀末アメリカでは,デパートやカタログ商法などに象徴される大量消費社会の萌芽が見られた。そのなかで商品は従来の本質的価値のために消費されるものから,人々の欲望を刺激する記号へとその性質が変化していく。『ポイントンの蒐集品』のなかの美術品や骨董品も登場人物の変化する価値基準のなかでその価値は変わっていく。本論では,19世紀末消費社会という文脈のなかで変化する,この作品中の「蒐集品」の価値について考察した。