共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

一次元ヘテロナノチューブの革新的デバイスへの展開

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
20H00220
体系的課題番号
JP20H00220
配分額
(総額)
45,630,000円
(直接経費)
35,100,000円
(間接経費)
10,530,000円

単層カーボンナノチューブ(単層CNT)をテンプレートとしその外周に異なるナノチューブ(例えば窒化ホウ素ナノチューブ(BN-NT)や二硫化モリブデン-ナノチューブ(MoS2-NT))を形成することによって得られるヘテロナノチューブの合成術の開発,その物性評価およびデバイス応用に向けた研究進めた.
合成おいては,多数の金属触媒微粒子を表面に担持したゼオライト表面から合成した単層CNTを用いて,単層CNTを内層,BN-NTを外層とする単層CNT@BN-NT構造の合成に成功し,その光学特性を明らかにした.また,ヘテロナノチューブ成長メカニズム解明を目指し,グラファイト表面での結晶の成長を詳細に分析することで,非常に大きな/グラファイト構造の合成に成功した.
物性評価においては,垂直配向した単層CNT膜の膜厚方向の熱伝導の計測に加え,単層CNT@BN-NT薄膜が単層CNT薄膜よりも高い面内熱伝導率を示すことを明らかにした.また,光学特性評価も行い,単層CNT@BN-NT@MoS2-NTにおける励起子のダイナミクスを緩和分光計測により明らかにした.
応用研究においては,単層CNT@BN-NT@MoS2-NTをチャンネルとした電界効果トランジスタの作製に成功し,そのデバイス特性評価を行った.ヘテロナノチューブのエネルギーデバイス応用に向け,単層CNTのペロブスカイト型太陽電池への応用を行った.電極として単層CNTを利用することで,正孔輸送層としての優れた性能を明らかに,ペロブスカイト結晶の成長核としての単層CNT応用,単層CNT@MoS2-NT薄膜における高い正孔輸送特性を示すことに成功した.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H00220
ID情報
  • 課題番号 : 20H00220
  • 体系的課題番号 : JP20H00220