基本情報

所属
金沢大学 WPIナノ生命科学研究所 教授
医薬保健研究域 医学系 教授
学位
博士(医学)(2004年 大阪大学)

連絡先
hanayamamed.kanazawa-u.ac.jp
研究者番号
40403191
ORCID ID
 https://orcid.org/0000-0003-2102-3386
J-GLOBAL ID
200901049241691176

外部リンク

I. エクソソームによる細胞間情報伝達機構とその病態

私達の研究室では、免疫細胞や腫瘍細胞をはじめ、多くの細胞が分泌するエクソソームと呼ばれる小型膜小胞の生理的意義と放出機構の解明を目標にしています。エクソソームは脂質二重膜で囲まれた膜小胞で、分泌細胞由来の膜蛋白質と細胞質成分で構成されており、免疫細胞間での抗原情報の交換や、様々な免疫応答を制御する可能性が示唆されています。更に、エクソソームの内側には分泌細胞由来のmRNAやmicroRNAが存在することが明らかとなり、細胞間の遺伝子発現情報の交換に関与する可能性が示唆されています。このようにエクソソームには細胞間の情報伝達メッセンジャーとして、多くの重要な作用があると考えられていますが、その研究はまだ始まったばかりであり、今後大きな発展が期待される研究分野であります。そこで私達の研究室では、エクソソームの研究に関して次の3つの基本課題を明らかにすることを目標にしています。

1. エクソソームはどのような分子機構で放出されるのか?
2. エクソソームの生理的・病態生理的機能は何なのか?
3. エクソソームはどのように生体内で運ばれているのか?

更に近年、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患を引き起こす種々の蛋白質が、エクソソームによって細胞外へと放出され、脳内炎症を惹起する事が明らかになっており、エクソソームの研究を発展させることにより、これらの疾患の治療に役立てることを目標にしています。

II. 自然免疫による自己炎症疾患の発症機序

近年、マクロファージなど自然免疫の研究の発展に伴い、免疫病は獲得免疫の異常による従来の自己免疫疾患だけではなく、自然免疫の異常による自己炎症疾患という新たな観点から疾患概念が再定義されています。マクロファージは免疫の要となる細胞で、病原体や死細胞、自己成分などを貪食し除去しますが、その後のマクロファージの応答として、これまでは免疫活性物質や抗原提示による獲得免疫の活性化機構が盛んに研究されてきました。一方、マクロファージは生細胞の血球貪食やリソソーム酵素の放出を介した他者融解により直接的に組織傷害を引き起こします。そこで、私達は自己炎症疾患の解明に向け、血球貪食や他者融解を介した組織傷害の発症機序に取り組んでいます。

1)血球貪食症候群:私達はこれまで、マクロファージがアポトーシス細胞の表面に露出されるリン脂質ホスファチジルセリンと特異的に結合することにより、アポトーシス細胞の貪食を促進することを示してきました。ところが、ウイルス感染や自己免疫疾患・悪性腫瘍などにより生体内で重篤な炎症反応が生じると、マクロファージが暴走し自己の血球を生きたまま貪食する血球貪食症候群が引き起こされます。この疾患は極めて重篤な致死的疾患ですが、その分子機構はほとんど解明されていません。私達は、血球貪食を担う受容体を同定することにより、血球貪食症候群の治療法の開発を目指しています。

2)他者融解:炎症時にマクロファージや好中球はリソソーム酵素を細胞外へと放出しますが、この放出が過剰になると、周辺組織の破壊を引き起こします。この現象は他者融解と呼ばれていますが、その制御機構は不明のままです。私達は、この過程を担う分子を同定することで、自己炎症における組織傷害の発生を抑制することを目指しています。


論文

  31

MISC

  18

書籍等出版物

  5

講演・口頭発表等

  75

共同研究・競争的資金等の研究課題

  23

社会貢献活動

  16

その他

  1
  • ○エクソソームの精製・検出・定量技術の開発 ○エクソソームの生理的・病理的意義の解明 ○エクソソームの生体内イメージング法の開発 ○エクソソームを用いた/標的にした創薬 ○血球貪食症候群の治療薬の開発 ○他者融解による組織傷害の阻害薬の開発