2021年4月 - 2025年3月
大電流加速器を利用した加速器高速中性子による医療用放射性同位元素の合成研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
原子力機構タンデム加速器を利用し、将来の医療用RIとして期待されているCu-64,67及びSc-47について、15~30MeV重陽子照射の励起関数測定など基礎データの収集を行った。特に副生成物評価では、患者の体内残留の影響が危惧される半減期が数か月の核種の生成量評価を行う事ができた。Cu-64,67においては副生成物の影響は大きくなく、本生成手法が有効であることが示されたが、Sc-47においては半減期84日のSc-46の生成の影響が大きく、高価な濃縮同位体試料の利用が不可欠であり、かつ重陽子の照射エネルギーを低くしてSc-46の生成が少ない条件を選定する必要があることがわかった。本手法でのSc-47生成ではコストの問題が生じる可能性があり、引き続き最適条件の検討が必要である。
また、東北大CYRIC施設においては大量合成による標的実験及びマウス実験を視野に、電流量100μA程度での合成を目指している。そこで、このような大電流の重陽子を効果的に利用出来るよう、また、研究において実験者の被ばくを低減し、かつ効率よい照射実験を行うために、試料を遠隔で交換出来る自動試料交換装置の導入を行った。実験装置は気送管方式を利用し、照射位置からコンクリート遮蔽外まで、自動搬送が可能であり、今後の生成実験に利用していく予定である。
更に、加速器による中性子発生についても基礎データを得るため、標的の材質をグラファイトから、中性子発生量が多くなると期待されるBe金属にし比較実験を行った。Beは同じ重陽子照射のグラファイト標的の1.8倍の中性子生成量を示したが、重陽子注入によるBe金属のブラスタリング効果から、耐用時間に制約があることがわかった。大電流照射ではグラファイト標的の利用あるいはBeとグラファイトの複合標的利用が必要である。引き続き、最適な標的物質についての検討を進めていく予定である。
また、東北大CYRIC施設においては大量合成による標的実験及びマウス実験を視野に、電流量100μA程度での合成を目指している。そこで、このような大電流の重陽子を効果的に利用出来るよう、また、研究において実験者の被ばくを低減し、かつ効率よい照射実験を行うために、試料を遠隔で交換出来る自動試料交換装置の導入を行った。実験装置は気送管方式を利用し、照射位置からコンクリート遮蔽外まで、自動搬送が可能であり、今後の生成実験に利用していく予定である。
更に、加速器による中性子発生についても基礎データを得るため、標的の材質をグラファイトから、中性子発生量が多くなると期待されるBe金属にし比較実験を行った。Beは同じ重陽子照射のグラファイト標的の1.8倍の中性子生成量を示したが、重陽子注入によるBe金属のブラスタリング効果から、耐用時間に制約があることがわかった。大電流照射ではグラファイト標的の利用あるいはBeとグラファイトの複合標的利用が必要である。引き続き、最適な標的物質についての検討を進めていく予定である。
- ID情報
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- 課題番号 : 21H03742
- 体系的課題番号 : JP21H03742