2020年4月 - 2023年3月
核物質の精密理解に向けた高濃度炭素14標的の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
核物質の状態方程式を決定する事は、核子多体系や天体現象の研究に於いて重要な課題となっている。対称核物質に於いては、飽和密度付近から高密度側にかけての三体力の効果、中性子核物質に於いては、対称エネルギーの密度依存性の解明が必要である。本研究では、炭素14偏極陽子弾性散乱を精度良く測定し、この問題を解決する。通常、地上に安定に存在しない不安定原子核の場合、実験的困難から必要な精度での測定は難しいが、高濃度の炭素14を標的として用い安定原子核と同じ順運動学下で測定を行う事で実現可能である。
先行研究(15K17660)では、炭素14を含んだ炭素粉末を購入し、炭素14標的を作って偏極陽子弾性散乱測定を行った。この過程で、不安定原子核を標的とした順運動学での偏極陽子弾性散乱測定の手法を確立させた。また購入した粉末には想定よりも多くの安定同位体が混ざっていることが測定データから判明し、本研究の目的を達成するには別の方法で、より高濃度の炭素14粉末を入手または精製する必要があることが分かった。
本研究では高濃度炭素14粉末を自前で精製し、それを用いて厚さ10 mg/cm2、直径12 mmで同位体比 80-95%の炭素14標的を作成する。初年度は、粉末を精製するための装置を作り上げた。設計段階では、安全に高濃度炭素14粉末を精製出来るかどうかについて担当の分担者と検討を重ねると共に有限要素法を用いた伝熱、構造解析による評価も行った。計画時に予定していた安定同位体を用いてのコールドランは次年度に行うことにした。
先行研究(15K17660)では、炭素14を含んだ炭素粉末を購入し、炭素14標的を作って偏極陽子弾性散乱測定を行った。この過程で、不安定原子核を標的とした順運動学での偏極陽子弾性散乱測定の手法を確立させた。また購入した粉末には想定よりも多くの安定同位体が混ざっていることが測定データから判明し、本研究の目的を達成するには別の方法で、より高濃度の炭素14粉末を入手または精製する必要があることが分かった。
本研究では高濃度炭素14粉末を自前で精製し、それを用いて厚さ10 mg/cm2、直径12 mmで同位体比 80-95%の炭素14標的を作成する。初年度は、粉末を精製するための装置を作り上げた。設計段階では、安全に高濃度炭素14粉末を精製出来るかどうかについて担当の分担者と検討を重ねると共に有限要素法を用いた伝熱、構造解析による評価も行った。計画時に予定していた安定同位体を用いてのコールドランは次年度に行うことにした。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K03995
- 体系的課題番号 : JP20K03995