2019年6月 - 2024年3月
極端環境下における元素合成過程の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(S) 基盤研究(S)
高密度環境下におけるトリプルアルファ反応率を決定するために、中性子ビームをMAIKoアクティブ標的に入射させ、検出ガスに含まれる炭素12核と中性子の非弾性散乱から放出される3つの低エネルギーアルファ粒子の三次元飛跡を測定し、その不変質量から炭素12核の励起状態を同定する技術の実証試験を行った。
大阪大学工学部の中性子工学実験施設において、d + t → 4He + n 反応から放出される14 MeV の中性子ビームをMAIKoアクティブ標的に照射し飛跡データを取得した。飛跡データからアルファ粒子のエネルギーと放出角度を決定し、炭素12核の励起エネルギースペクトルを得てホイル状態のピークを観測することに成功した。さらに、モンテカルロ計算によって飛跡の模擬データを生成し、これを実際の測定データと同様に解析することで、非弾性散乱事象の検出効率を評価した。最終的に得られたホイル状態の励起断面積は先行研究と誤差の範囲内で一致しており、MAIKoアクティブ標的を用いた中性子非弾性散乱の測定技術の実証に成功した。
また、東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンターにおいて可変エネルギー単色中性子源の開発を行った。この中性子源では、ホウ素11ビームを水素ガス標的に照射し11B(p,n)11C反応によって単色中性子を生成する。今年度は、水素ガス開発の設計・製作、および、ホウ素11ビームを大強度化するためのイオン源と加速器の改良を行った。
さらに、高温度環境下におけるトリプルアルファ反応率の測定に用いるシリコン半導体検出器の波形解析技術の開発を行った。
大阪大学工学部の中性子工学実験施設において、d + t → 4He + n 反応から放出される14 MeV の中性子ビームをMAIKoアクティブ標的に照射し飛跡データを取得した。飛跡データからアルファ粒子のエネルギーと放出角度を決定し、炭素12核の励起エネルギースペクトルを得てホイル状態のピークを観測することに成功した。さらに、モンテカルロ計算によって飛跡の模擬データを生成し、これを実際の測定データと同様に解析することで、非弾性散乱事象の検出効率を評価した。最終的に得られたホイル状態の励起断面積は先行研究と誤差の範囲内で一致しており、MAIKoアクティブ標的を用いた中性子非弾性散乱の測定技術の実証に成功した。
また、東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンターにおいて可変エネルギー単色中性子源の開発を行った。この中性子源では、ホウ素11ビームを水素ガス標的に照射し11B(p,n)11C反応によって単色中性子を生成する。今年度は、水素ガス開発の設計・製作、および、ホウ素11ビームを大強度化するためのイオン源と加速器の改良を行った。
さらに、高温度環境下におけるトリプルアルファ反応率の測定に用いるシリコン半導体検出器の波形解析技術の開発を行った。
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 19H05604
- 体系的課題番号 : JP19H05604
この研究課題の成果一覧
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論文
4-
Physics Letters B 2024年1月 査読有り
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Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A: Accelerators, Spectrometers, Detectors and Associated Equipment 168628-168628 2023年8月 査読有り
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EPJ Web of Conferences 260 11010-11010 2022年 査読有り
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Physics Letters B 817 136283-136283 2021年6月 査読有り
MISC
1-
生産と技術 72(3) 52-56 2020年7月 招待有り筆頭著者責任著者
講演・口頭発表等
1-
6th Joint Meeting of the APS Division of Nuclear Physics and the Physical Society of Japan, Sunday–Friday, November 26–December 1 2023; Hawaii, the Big Island. 2023年11月30日