共同研究・競争的資金等の研究課題

2000年 - 2003年

移動コードを基本としたセキュアなプログラミング言語処理系

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特定領域研究  特定領域研究

課題番号
12133203
配分額
(総額)
37,800,000円
(直接経費)
37,800,000円

移動コードを基本としたセキュアなプログラミング言語処理系について研究を行った。本研究では、プログラミング言語およびシステムソフトウェアの安全性にかかわる諸問題について、理論と実用の両面から研究を行った。まず、ソフトウェアの開発においてもっとも重要な要素であるプログラミング言語の様々な問題について、場当たり的な対症療法ではなく、堅固な理論にもとづく系統的な解決策を与えた。さらに、コンピュータ上でプログラムを実行する際に安全性を保証する基盤となるシステムソフトウェアに関しても、対象となるシステムへの深い理解にもとづく体系的な解決策によって問題を解決した。具体的には、C言語の安全な処理系Fail-Safe C、 Fail-Safe Cのためのインタフェース記述言語、型システムを利用して安全性を保証するOS Kernel Mode Linux、分散DoS攻撃からネットワークを守るシステムMoving Firewall、暗号ラムダ計算、文字列処理のための正規表現型、自己修復型リファレンスモニタ、プログラム部品間のアクセスをきめ細かく制御する機構、移動コードの記述を支援する言語処理系JavaGoおよびJavaGoX、Javaにおけるオブジェクト使用解析、動的型付き言語Schemeのためのリージョンベースのメモリ管理、分散計算におけるアクセス制御のための型システムなど、国内外から極めて高い評価を得ている研究実績を残した。本研究は、3つのソフトウェアの公開と30本近い査読つき論文の発表などを通じ、学術的・社会的に大きなインパクトを与え、日本ソフトウェア科学会や日経BP社から論文賞などの4つの賞を受賞した。

ID情報
  • 課題番号 : 12133203