論文

査読有り
2008年

GPSおよびGISを用いた放牧牛の耕作放棄地における空間的利用パターンとそのエネルギー消費量との関係

システム農学 26: 141-149.
  • 兒嶋 朋貴
  • ,
  • 大石 風人
  • ,
  • 太田 典宏
  • ,
  • 吉岡 正行
  • ,
  • 熊谷 元
  • ,
  • 守屋 和幸
  • ,
  • 広岡 博之

26
4
開始ページ
141
終了ページ
149
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.14962/jass.26.4_141
出版者・発行元
システム農学会

近年、わが国では中山間地域に存在する耕作放棄地の有効利用を目的としたウシの放牧が推奨されている。適切な放牧地管理を行うには、放牧牛の空間的利用パターンの把握が重要である。そこで本研究では、GPSとGISを利用して耕作放棄地放牧牛の空間的利用パターンを把握することおよび空間的利用パターンとエネルギー消費量(EE)との関係を解析することを目的とした。2 頭の黒毛和種老廃雌牛にGPS首輪を装着し、2008年6月、同年9月および同年10月に5分間隔で終日の位置情報を取得した。GISを用いて、試験地周辺の等高線図から試験地のDigital Elevation Model(DEM)画像を作成し、試験地DEM画像上の各ピクセルにおける斜度を算出した。各試験日の昼間(日出から日没)と夜間(日没から翌日出)に分割したGPSデータを用いて固定カーネル法により供試牛の利用分布を推定し、3段階の利用強度域の面積および平均斜度を算出した。また、GISにより標高データを統合したGPSデータから歩行速度および歩行傾斜角度を算出し、これらからEEを算出した。季節を通じて各利用強度域の面積に変化は見られなかったが、高および中利用強度域の平均斜度は季節を経るにつれて急になった(P<0.05)。一方、各利用強度域の面積は夜間に比べて昼間の方が広く(P<0.01)、平均斜度は夜間に比べて昼間の方が緩やかであった(P<0.01)。初夏において、各利用強度域の平均斜度とEEとの間は正の相関関係にあった。初秋においては、高および中利用強度域の面積とEEとの間は負の相関関係であったが、晩秋においては正の相関関係であった。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.14962/jass.26.4_141
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130005074379
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN10164125
URL
http://id.ndl.go.jp/bib/10856775
URL
https://jlc.jst.go.jp/DN/JALC/00357875023?from=CiNii
ID情報
  • DOI : 10.14962/jass.26.4_141
  • ISSN : 2189-0560
  • ISSN : 0913-7548
  • CiNii Articles ID : 130005074379
  • CiNii Books ID : AN10164125

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