講演・口頭発表等

2016年

領域アンサンブル予報を利用した洪水予測手法の2015年鬼怒川洪水への適用

水文・水資源学会研究発表会要旨集
  • 牛山 朋來
  • ,
  • 佐山 敬洋
  • ,
  • 岩見 洋一

記述言語
日本語
会議種別

激甚化する豪雨にともなう洪水被害を効果的に軽減するため、半日以上の長いリードタイムを確保した洪水予測の開発を行っている。降水量予報については、予報の不確実性を考慮したアンサンブル予報を用いる。得られた値を降雨流出氾濫モデル(RRIモデル)に導入し、流出予測を行う。この手法を2015年鬼怒川洪水事例に適用し、流域上流の4つのダムや中流の石井地点における流出量を求め、予測可能性を議論した。予測リードタイムは30、24、18、12時間の4種類について行った。基本的に予測リードタイムが短くなるにつれて、流出予測精度も向上した。また、リードタイム24時間の予測を除いて、ほぼすべての地点で、少なくともいくつかのアンサンブルメンバーは洪水ピークを予測した。また、リードタイム12時間の場合多くのアンサンブルメンバーが洪水ピークを予測することができ、またアンサンブル中央値も観測洪水ピークに近づいた。一方、気象庁の現業予報で使われているメソモデルMSMによる予報降水量を用いると、ほとんどの場合洪水ピークを予測できなかった。また、アンサンブル予報にみられるような、リードタイムと予測精度の関係も見られず、予報のばらつきが大きいことがわかった。以上の実験により、アンサンブル洪水予測手法の有効性について確認した。<br>

リンク情報
URL
http://ci.nii.ac.jp/naid/130005176101