共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年10月 - 2022年3月

インドネシア気象レーダ網観測の高精度化と衛星降雨推定手法開発への応用

日本学術振興会  科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))  国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))

課題番号
18KK0130
体系的課題番号
JP18KK0130
配分額
(総額)
17,550,000円
(直接経費)
13,500,000円
(間接経費)
4,050,000円

本研究は、東南アジアでデータ保存状況が最も良いインドネシア気象レーダ網から降雨量データを作成し、全球衛星降水マップ(GSMaP: Global Satellite Mapping of Precipitation)の検証・改良に利用する。インドネシアでは気象レーダから推定される降雨量の補正に利用可能な地上雨量計が不足しているため、日本が運用している衛星搭載降水レーダと雨滴粒径分布の現地観測を利用する。
今年度は、インドネシア気象気候地球物理庁からサンプルとして提供を受けた気象レーダデータを用いてGSMaP準リアルタイム配信版を検証した。その結果、GSMaPの推定した降雨システムの伝播方向が、気象レーダの観測と逆方向を示す事例を検出した。当該期間の気象再解析データを解析したところ、インドネシア上空の環境風が下層で西風、上層で東風と深い鉛直シアーを持っていた。降雨システムは下層西風によって東へ伝播していたのに対し、GSMaPは、上層東風で西へ流される上層雲の動きを反映した雲移動ベクトルを赤外放射計から推定して利用していたため、降雨システムの伝播を逆方向に推定してしまっていたと推測した。
長期間の気象レーダデータの提供を正式に受けるのに必要な学術交流協定を締結するためのドラフトを作成し、インドネシア気象気候地球物理庁を訪問して打ち合わせを行った。また、インドネシア気象レーダ網から降雨量データを作成するために行う雨滴粒径分布現地観測の観測装置設置場所の検討をバンドン工科大学を訪問して行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18KK0130
ID情報
  • 課題番号 : 18KK0130
  • 体系的課題番号 : JP18KK0130