共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

イルカにおける不死化細胞株の樹立

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K05831
体系的課題番号
JP18K05831
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

本研究は、イルカ培養細胞の増殖維持に最適化した培地の作製を目指す。また細胞不死化に関わる分子機構は完全には解明されていないが、多数の不死化細胞
株が樹立されている陸生哺乳類では、細胞増殖や細胞老化に関わる遺伝子の人為的な制御による細胞不死化の促進が報告されているため、それらの相同遺伝子は イルカの細胞においても不死化制御の候補遺伝子となりうる。それら候補遺伝子を含む細胞不死化関連遺伝子をイルカで探索するためにイルカの初代培養細胞お よびその継代細胞(老化細胞)を用いた発現遺伝子群の比較解析を行い、不死化関連遺伝子を同定し、ゲノム編集技術を応用してそれらの遺伝子の人為的制御を 行うことによって無限増殖能を有したイルカ不死化細胞の樹立を目指す。
本年度は、昨年度に引き続き、フィールドからのサンプリングによって得た組織由来の細胞について初代培養を試みた。イルカの諸臓器から一般的な組織培養条件のもとで培養を試みたところ、腎臓および肺組織を由来とする細胞において、数継代の培養が維持されることを確認した。諸臓器由来細胞の初代培養を数例試みたが、いずれの場合においても腎臓および肺由来の細胞で数回の継代が可能であった例が観察され、細胞株の樹立には、これらの臓器由来の細胞を用いることが有用である可能性が示唆された。これら増殖が確認できた培養細胞は凍結保存処理を行い、数か月後に凍結融解した後も再度培養が可能であることも確認した。なお、継代を重ねると培養細胞の分裂能力が低下し、継代不可能となったため、増殖能力が活発な細胞と分裂能力が低下した細胞を採材して遺伝子発現解析に供する試料を確保した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K05831
ID情報
  • 課題番号 : 18K05831
  • 体系的課題番号 : JP18K05831

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