共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

ヒドラ属の比較ゲノミクスによる栄養獲得戦略の進化と種分化の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)
  • 濱田 麻友子

課題番号
18K06364
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

本研究では動物における適応と種分化の進化を明らかにするため、種によって異なる栄養獲得戦略を取る動物であるヒドラ属の近縁種間の比較ゲノム解析を行っている。これまでに藻類共生性のヒドラであるグリーンヒドラHydra viridissima A99系統を用いて、ホストのヒドラとその共生体であるクロレラのゲノム解析を行い、共生性に深く関与する特徴とその進化を明らかにしてきた。本研究ではそれをさらに拡大し、H.viridissimaの他系統や非共生性で大型のブラウンヒドラを比較することで、ヒドラ属をモデルとして種分化と生存戦略の進化について明らかにする。
本年度は、H.viridissimaの4つの系統(A99, K10, Husum, M8, M10)それぞれに共生するクロレラを用いて分子系統解析、形態観察を行い、これらがクロレラクレードの中でも系統的に離れた2つのグループに分かれることから、グリーンヒドラへの共生は少なくとも2回独立に起こったと考えられる。さらに、グリーンヒドラH.viridissima A99系統と、ブラウンヒドラH.magnipappilata、その他刺胞動物の比較ゲノム解析を行い、系統特異的に多く見られる遺伝子や、転写因子やシグナル分子をコードする遺伝子数の比較を行った。特にHomeobox遺伝子に関しては系統解析による詳細な分類を行ったところ、ヒドラ属の共通祖先で多くのHomeobox遺伝子の欠失が起こったことが明らかになった。また、ブラウンヒドラのゲノムサイズはグリーンヒドラの約3倍大きいが、そのゲノムサイズ増大の原因の可能性のあるトランスポゾンの挿入・重複やゲノム重複を調べるため、リピート配列やゲノムシンテニーを2種で比較し、これらの両方がH.magnipappilataのゲノムサイズの増加に寄与している可能性があることがわかった。