共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年2月 - 2022年3月

原発性卵巣不全患者における減数分裂関連因子異常の探索

熊本大学医学部附属病院 先進医療  平成30年度臨床-基礎連携プロジェクト支援  基盤研究(C)

課題番号
19K09755
体系的課題番号
JP19K09755
資金種別
競争的資金

1. 原発性卵巣不全(POI)の本態は卵巣における卵子の枯渇であり、POI以外の表現型に異常を認めない症例の原因の一つに減数分裂特異的な遺伝子の変異が想定されてきた。最近、減数分裂を制御するSTRA8遺伝子やSTRA8と協調して働くStIP1遺伝子(=meiosin)異常により生殖細胞が減少することが判明したことから、ヒトPOI患者におけるこれらの遺伝子変異の可能性について検討することを目的とし、同意が得られたヒトPOI患者の末梢血からDNAを抽出し、遺伝学的解析を行った。初年度に行ったPOI 7例の解析で、いずれの症例においてもSNPとして報告されていないアミノ酸置換を伴う新規変異が1~2個認められたが、今回これらの変異について、タンパクの構造やドメインへ与える影響等を検討した結果、病的意義を強く示唆するデータは得られなかった。その後、新たに4例が追加された。また、さらなる症例集積のために共同研究施設および研究協力施設を設置した。
2. STRA8の会合因子であるStIP2の減数分裂における役割の解析を目的とし、Crispr-Cas9を用いてStIP2機能欠損マウスを作成した。StIP2機能欠損マウスの減数分裂について、精巣ならびに卵巣を採取し組織学的ならびに免疫組織学的解析を行ったところ、雌雄いずれにおいても明らかな減数分裂異常はみられなかった。また雌雄ともに野生型と比較して妊孕性の低下は認められなかったことから、2の研究は終了した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K09755
ID情報
  • 課題番号 : 19K09755
  • 体系的課題番号 : JP19K09755