共同研究・競争的資金等の研究課題

2006年 - 2009年

近代日本の戦没者慰霊に関する総合的研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(A)

課題番号
18202021
体系的番号
JP18202021
配分額
(総額)
49,660,000円
(直接経費)
38,200,000円
(間接経費)
11,460,000円

近代国民国家における戦歿者慰霊について、国家と国民、地方と市民、信仰と宗教を軸に、国内及び各国における慰霊と顕彰を戦争記念碑と戦歿者墓碑を悉皆調査してその実態を把握した。その結果、日本においては個人及び地域の主体性が基本になっておりしたがって死者の宗教が尊重されていること、諸外国では(a)戦勝国の米英仏国などは国家の下に個人の宗教によって顕彰・慰霊され、(b)中国・ベトナム・トルコなどの新興国家は国家主義と国民統合の政治的象徴として顕彰・慰霊され、(c)敗戦国のドイツは個人の尊重と平和主義により慰霊がなされ、その他の国ではこれらのベクトルの中でそれぞれぞれの位置を占めていることが判った。それらは、敗戦による国家の崩壊と戦争の悲惨との度合いと現在の国家体制を要因として決定される。それを決定付ける要因は、その政治体制の力学、歴史と文化の作用、社会の結束力の関係性にあることを解明するに至った。したがって、国家慰霊祭祀の問題はこの原則を踏まえて考えるべきであろう。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18202021
ID情報
  • 課題番号 : 18202021
  • 体系的番号 : JP18202021