2016年
東南アジアの低地フタバガキ林と乾燥フタバガキ林樹木の材密度と含水率
日本森林学会大会発表データベース
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- 開催年月日
- 2016年 - 2016年
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 主催者
- 日本森林学会
樹木の材密度は、幹の支持力の指標になるだけでなく、通水機能や光合成機能など生理機能とも関係がある。また、単位体積当たりの炭素濃度とも密接に関係しており、樹体や森林の炭素蓄積量の正確な推定に役立つ。本研究は、種の多様性の高い東南アジア熱帯域において、雨季乾季の明瞭なカンボジアの乾燥フタバガキ林と、年中湿潤なマレーシアの低地フタバガキ林に生育する様々な樹種を対象に、材密度と材含水率を調べ比較した。カンボジア・クラチエ州の乾燥フタバガキ林とマレーシアサラワク州の低地フタバガキ林において、それぞれ43種と71種の材を生長錐で採取した。平均材密度は、カンボジアとサラワクで差が無かったが、材含水率はカンボジアの方がサラワクに比べ有意に高い値を示した。またカンボジア産樹木では、材密度と含水率に負の相関がみられたが、サラワク産樹木ではそのような関係は無かった。カンボジア産樹木の高い含水率は、降雨の季節変動が大きな乾燥フタバガキ林での樹木の適応に役立っている可能性が考えられた。