基本情報

所属
千葉県がんセンター研究所 がん治療開発グループ 小児難治がん研究室 上席研究員

researchmap会員ID
5000092298

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『神経芽腫』が『自然退縮』するという現象に興味を持ち、2007年から千葉県がんセンター研究所にて「神経芽腫研究」を開始しました。神経芽腫は、副腎・交感神経節から発生する小児固形腫瘍です。その進行症例は抗がん剤耐性となり、また再発を繰り返して『難治性』を示します。一方で、一部の症例においては、遠隔転移の有無に関わらず腫瘍が自然に退縮して治ってしまう、いわゆる『自然退縮』という現象が認められます。現在、ミトコンドリア依存的な細胞死を誘導するシグナル伝達経路を解明する研究とミトコンドリアDNA異常を調べる研究を進め、シグナルとゲノムの両面から自然退縮機構(神経芽腫の弱点と考える病態)の理解を目指しています。なおミトコンドリアDNAの解析は、日本小児がん研究グループ(JCCG)神経芽腫委員会(JNBSG)と共同で推進する「神経芽腫のミトコンドリア異常と予後に関する後方視的観察研究(研究代表:巽)」の下で実施しています。さらに、本研究から得られた知見を足掛かりとし、神経芽腫ひいてはがんの克服に向けた新規治療戦略を探索しています。

上記研究と並行して、2014年4月から『がんゲノム研究室(後の腫瘍ゲノム研究室)』に配属され、施設に導入された次世代シークエンサー等を使用して、がんのゲノム解析研究を開始しました。ここでは、がんの層別化や新規の診断治療法を探索する目的で、併設する病院の複数の診療科、バイオバンク、他の研究部室および他施設の研究者と共同して、肉腫や消化器がんなどのゲノム異常について網羅的に調べました。その後2022年10月から『発がん制御研究部』に所属し、受精鶏卵への癌細胞移植実験系を用いて抗癌剤(ゲノム解析研究から同定した候補薬剤)の有効性を安価で簡便に評価できる研究手法を取り入れました。

2024年4月、千葉県がんセンター研究所に「小児がん」および「難治がん」の克服を目指した研究を展開する『小児難治がん研究室』が開設されました。当研究室では難治性の神経芽腫(小児がん)だけでなく、化学療法抵抗性や肺転移を有する難治性の小児骨肉腫(小児がん)、早期発見と治療が難しい膵臓がん(難治がん)などを対象とし、私達の先行研究を基盤とした「難治性病態の分子メカニズムを解明する研究」とその「早期診断法ならびに革新的な治療戦略を探索する研究」を推進中です。

(所属ホームページ参照) https://www.pref.chiba.lg.jp/gan/kenkyujo/departments/shoni-nanchi.html

 

小児がん研究を始める前(国立がん研究センター研究所・ウイルス部に在籍時まで)は、がん抑制遺伝子のRBとp53が介在するDNA複製開始制御および細胞周期の制御と、その脱制御に起因する発がんメカニズムについて研究を行いました。現在は、細胞周期とDNA損傷応答時にRB/E2F1によって発現制御されるBMCC1に着目した研究も併せて行っています。BMCC1は神経芽腫の予後良好な症例で高発現する遺伝子として千葉県がんセンター研究所で発見され、2006年に報告されました。BMCC1は細胞増殖・細胞分化・細胞死に関わる『多機能性のがん抑制因子』であることがわかりつつあります。当研究室では、この多彩な機能と巨大な分子量(350 kDa)を持つ"Big Molecule"がどのようにして細胞のがん化やがんの悪性化を防いでいるかについて調べています。


論文

  25

MISC

  5

共同研究・競争的資金等の研究課題

  17