2015年3月
東北地域の稲発酵粗飼料の生産に適した水稲品種「べこげんき」の育成
東北農業研究センター研究報告 = Bulletin of the National Agricultural Research Center for Tohoku Region
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- 巻
- 号
- 117
- 開始ページ
- 1
- 終了ページ
- 13
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.24514/00001279
- 出版者・発行元
- 東北農業研究センター
「べこげんき」は、飼料用イネ系統「羽系飼864」に稲発酵粗飼料用イネ系統「青系飼161号(うしゆたか)」を交雑した雑種後代から育成された水稲粳品種である。育成地の移植栽培における出穂期は「べこごのみ」よりやや遅く、「ふくひびき」より早い"かなり早"に属する。黄熟期は9月上旬で、食用品種の収穫が始まる9月下旬の前に黄熟期収穫が可能である。稈長は"やや短"で、稈は極めて太く、止葉が極めて長く、穂数は少ない。耐倒伏性は"かなり強"であり、多肥直播栽培においても倒伏はほとんど認められない。いもち病真性抵抗性遺伝子Pia、Pibを持つと推定され、いもち病圃場抵抗性は"不明"である。障害型耐冷性は"やや弱"、穂発芽性は"やや易"である。育成地の多肥移植栽培においては、粗玄米重は「べこごのみ」と同程度である。玄米は、やや大きく、外観品質が劣るので、食用品種と識別可能である。育成地の多肥直播栽培において、「べこげんき」の黄熟期の全乾物重およびTDN収量は、「べこごのみ」より大きい。普及予定地の秋田県平鹿地域の直播栽培において、「べこげんき」は黄熟期全乾物重が安定して大きく、サイレージ品質も良好である。本品種は、東北地域における稲発酵粗飼料向けとしての利用が期待できる。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.24514/00001279
- ISSN : 1347-3379
- CiNii Articles ID : 120006586423
- CiNii Books ID : AA11655277
- identifiers.cinii_nr_id : 9000003034935