2015年10月
先進果樹園芸経営のイノベーションと農産物輸出―株式会社フルーツガーデンやまがた―
農林業問題研究
- 巻
- 50
- 号
- 4
- 開始ページ
- 255
- 終了ページ
- 257
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.7310/arfe.50.255
- 出版者・発行元
- 富民協会
大会講演2に対する本解題では,徳島県鳴門市の先進果樹園芸経営である株式会社フルーツガーデンやまがた(以下,FY)の農業経営全般の特徴を整理し,イノベーションと農産物輸出の特徴を検討したうえで,地域農林経済研究者に課された課題の抽出を試みる。FYは,京阪神からの(への)交通アクセスが良好な高松自動車道鳴門ICから2kmの距離に立地し,年間を通じて天候と湿度が安定した瀬戸内海式気候のもと,果樹園芸作を中心とする家族経営として4代にわたり発展してきた。FYの農業経営としての第1の特徴は,家族経営類型のダイナミックな変化である。先代まで伝統的家族経営(新山,1997)として経営資源を蓄積・継承し,山形文吾社長が経営を継承して以降は,企業的家族経営,家族・同族企業経営へと変化させてきた。門間(2012a)の農業経営類型では,1~3代が専業家族農業経営(プロ農家型,家族労働型),山形社長の代が専業家族農業経営(プロ農家型,雇用労働導入型)から雇用型農企業経営(単独型)への展開として捉えることができる。第2の特徴は,ビジネスサイズの積極的な拡大である。それは,生産規模(自社,連携)のみならず,複合化(作目,アイテム),多角化(加工,販売,観光)の次元でもみられる点である。これらの拡大を支えた要因としては,主に次の3点が指摘できる。(1) 山形社長の不断の経営努力とリーダーシップ。(2) 「家族経営」の強み。(3) 「企業経営」の強み。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.7310/arfe.50.255
- ISSN : 0388-8525
- CiNii Articles ID : 130005103060
- CiNii Books ID : AN00202829