基本情報

所属
熊本大学 生命資源研究・支援センター 教授
学位
薬学博士(2008年3月 熊本大学)

ORCID ID
 https://orcid.org/0000-0002-8103-651X
J-GLOBAL ID
200901019008762571
Researcher ID
A-3119-2010

外部リンク

熊本大学生命資源研究・支援センターで生殖薬学・生殖工学技術の研究をしています。本研究を通じて、産業動物の繁殖効率を向上や不妊症を克服する科学技術の創出、各種培養液・保存液の開発、健康寿命の延伸や難病予防・診断・治療法の開発に有用なバイオリソースの利活用の促進、関連技術に関する専門人材の育成を推進します。


主要な論文

  67

MISC

  34

書籍等出版物

  6

講演・口頭発表等

  479

Works(作品等)

  26

共同研究・競争的資金等の研究課題

  31

その他

  7
  • 2020年6月
    【ポイント】 ● マイクロ流体デバイスを用いた細胞分取装置を用いて、運動能を維持したまま精子を選別する技術を開発しました。 ● 本技術を用いて、精子全体の中から受精可能な精子(受精能獲得精子)だけを集めることで、体外受精における受精率が向上することを明らかにしました。 ● 本技術を応用することで、実験動物や家畜の効率的な繁殖や不妊治療における体外受精の成功率の向上が期待できます。 【概要説明】 熊本大学生命資源研究・支援センター資源開発分野の中尾聡宏研究員、竹尾透教授、生殖工学共同研究分野の中潟直己特任教授、京都大学ウイルス・再生医科学研究所の渡邊仁美助教、近藤玄教授は、マイクロ流体デバイスを用いた細胞分取装置を用いて、体外受精における受精率の向上に有用な精子を選別する技術を開発しました。 精子は、射出された直後は受精することができず、生体内や培養液中で活性化することによって、受精する能力を獲得します。この現象は、受精能獲得と呼ばれ、体外受精において高い受精率を得るためには、受精能獲得精子を回収することが必要です。一般的に、特定の細胞を回収するために、細胞分取装置が用いられます。しかしながら、精子は、物理的傷害を受けやすいため、一般的に使用される細胞分取装置では、運動性を維持した精子を回収することが困難とされていました。中尾聡宏研究員らは、マウス精子を用いて種々の細胞分取装置や精子の分離に使用する培養液を検討した結果、マイクロ流体デバイスを用いた細胞分取装置で、精子を選別する最適条件を決定し、運動能を維持したまま精子を分取することに成功しました。さらに、本装置を用いて、蛍光物質で標識した受精能獲得精子を回収することにより、受精率の高い精子を分取し、体外受精に利用できることを明らかにしました。 本技術は、実験動物や家畜の繁殖、生殖医療における不妊治療において、体外受精の成功率を高める技術として応用が期待されます。さらに、精子の性染色体を標識する技術と組み合わせることで、実験動物や家畜等の雌雄の産み分けへの応用も期待できます。 本研究成果は、令和2年6月1日付の英科学誌「Scientific Reports」電子版において公開されました。 本研究は、日本医療研究開発機構( AMED) の創薬基盤推進研究事業「マウスバンク機能の拡充による創薬イノベーションの迅速化」および京都大学ウイルス・再生医科学研究所の再生医学・再生医療の先端融合的共同研究拠点事業の助成を受けて行われました。 【論文情報】 論文名:Successful selection of mouse sperm with high viability and fertility using microfluidics chip cell sorter 著者名:Satohiro Nakao, Toru Takeo, Hitomi Watanabe, Gen Kondoh, Naomi Nakagata 掲載雑誌:Scientific Reports URL:www.nature.com/articles/s41598-020-65931-z 【詳細】 プレスリリース(PDF 273KB)
  • 2020年1月 - 2020年1月
    熊本大学生命資源研究・支援センターの中潟直己教授・竹尾透講師らのグループは、ラット精子の効率的な凍結保存に成功しました。 ラット精子は、他の動物種の精子の2~4倍の大きさであり、pH、浸透圧、温度等の物理的変化によるダメージを受け易いため、凍結保存技術の開発が極めて困難でした。中潟教授らは、できるだけ精子に物理的刺激を与えない新たな凍結方法を考案し、凍結融解精子の運動性を損なわず、効率的に受精卵および産子を作製する技術を確立しました。 精子の凍結保存法は、受精卵の凍結保存法よりも試料の採取方法が容易であり、1匹の雄ラットから多くの細胞を得ることができます(5千万~1億匹)。近年、ゲノム編集技術を用いて、ヒトの病気の治療法の開発に有用な遺伝子改変ラットが次々と作製されており、遺伝子改変ラットの系統の効率的な保存技術が求められています。今回中潟教授らが開発した技術は、遺伝子改変ラットの効率的な保存や利用を促進し、難病に対する治療法の開発を加速させることが期待できます。 本研究成果は、令和2年1月9日付の英科学誌「Scientific Reports」電子版において公開されました。 (論文情報) 論文名:Establishment of sperm cryopreservation and in vitro fertilisation protocols for rats 著者:Naomi Nakagata, Nobuyuki Mikoda, Satohiro Nakao, Ena Nakatsukasa & Toru Takeo 掲載誌:Scientific Reports doi:https://doi.org/10.1038/s41598-019-57090-7 URL:https://www.nature.com/articles/s41598-019-57090-7 (特許出願情報) 発明の名称:ラット精子の凍結方法および該方法で保存したラット精子を用いた体外受精方法 出願番号:特願2019-231190 出願人:国立大学法人 熊本大学 発明者:中潟直己、竹尾透、三小田伸之
  • 2017年12月 - 2017年12月
    熊本大学大学院生命科学研究部 遺伝子機能応用学分野の亀井竣輔 大学院生、首藤剛 准教授らは、肺の難病の原因追求に取り組み、必須微量元素の一つ「亜鉛」の肺細胞への運搬異常が、閉塞性肺疾患の病気の進展に重要であることを世界で初めて明らかにし、その詳細な機序にmRNAの連結異常(mRNAスプライシング異常)が関わることを証明しました。 これまで、亜鉛の肺における重要性は、栄養学的な側面からしか理解されてきませんでしたが、今回の発見は、「亜鉛が、生命の根幹を担うmRNAの連結調節に影響し、肺疾患の発症に関わる」ことを世界で初めて明らかにするものです。本研究の成果は、基礎研究と医療を橋渡しするトランスレーショナル研究の成果を取り扱う、Cell PressグループとLancetグループのオープンアクセス誌「EBioMedicine」で平成29年12月20日に公開されました。 【論文名】 Zinc deficiency via a splice switch in zinc importer ZIP2/SLC39A2 causes cystic fibrosis-associated MUC5AC hypersecretion in airway epithelial cells 【著者】 Shunsuke Kamei1,2, Haruka Fujikawa1,2, Hirofumi Nohara1,2, Keiko Ueno-Shuto3, Kasumi Maruta1, Ryunosuke Nakashima1 , Taisei Kawakami1, Chizuru Matsumoto1, Yuki Sakaguchi1, Tomomi Ono1, Mary Ann Suico1, Richard C. Boucher4, Dieter C. Gruenert5, Toru Takeo6, Naomi Nakagata6, Jian-Dong Li7, Hirofumi Kai1,*, and Tsuyoshi Shuto1,* (*責任著者) 【所属】 1熊本大学大学院生命科学研究部 遺伝子機能応用学分野、2熊本大学博士課程教育リーディングプログラム「グローカルな健康生命科学パイオニア養成プログラムHIGO」、3崇城大学薬学部薬理学教室、4米国ノースカロライナ大学チャペルヒル校、5米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校、6熊本大学動物資源開発研究施設(CARD)、7ジョージア州立大学 【掲載雑誌】 EBioMedicine, 平成29年12月20日に掲載 【DOI】 URL: http://www.ebiomedicine.com/article/S2352-3964(17)30506-6/fulltext
  • 2017年11月 - 2017年11月
    熊本大学 生命資源研究・支援センター 資源開発分野は、遺伝子改変マウスを効率的に作製・保管・供給するための生殖工学技術を開発しており、その技術は世界中の研究機関で利用されています。この度、同研究グループは、マウス精子の受精機能を10日間維持する冷蔵保存技術の開発に成功しました。 本研究成果は、遺伝子改変マウスの国際輸送に応用することが可能であり、 国際共同研究を加速し、医学・生命科学研究の発展に寄与することが期待できます。 本研究成果は、アメリカ合衆国のジャーナル「Biology of Reproduction」にUS時間の11月8日(日本時間11月9日)掲載されました。 ※本技術は現在特許出願中です。 【論文名】 Dimethyl sulfoxide and quercetin prolong the survival, motility, and fertility of cold-stored mouse sperm for 10 days 【著者名と所属】 吉本英高( 熊本大学 生命資源研究・支援センター 資源開発分野) 竹尾 透( 熊本大学 生命資源研究・支援センター 資源開発分野) 中潟直己( 熊本大学 生命資源研究・支援センター 資源開発分野) 【掲載雑誌】 Biology of Reproduction 【研究支援】 本研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構 創薬基盤推進研究事業「マウスバンク機能の拡充による創薬イノベーションの迅速化」の支援を受けて実施したものです。 【DOI】 DOI:10.1093/biolre/iox144 http://www.kumamoto-u.ac.jp/whatsnew/seimei/20171124
  • 2017年1月 - 2017年1月
    難治性の肺疾患の中でも,慢性閉塞性肺疾患 (COPD) は,患者数は増加の一途をたどる一方,詳細な病気のメカニズムが不明であるため, 原因究明と根治療法の開発が望まれています.今回,熊本大学大学院生命科学研究部 (薬学系) 遺伝子機能応用学分野の首藤剛准教授,甲斐広文教授らは,ヒトのCOPDの病態を忠実に再現するモデルマウスを国内で初めて作成し,「酸化ストレス」*と「セリンタンパク質分解酵素」*が,COPDの病気の進行に強く関わることを明らかにしました.この成果は,COPDなどの難治性肺疾患に対する新規の薬物療法の開発につながるものと期待されます.本研究の成果は,英国 Nature Publishing Groupの科学雑誌「Scientific Reports」で12月16日 (英国時間午前10:00) に公開されました. COPDは,慢性の咳,痰(たん),階段の上下りの疲れなど日常生活の中での呼吸困難(息切れ等)を特徴とする疾患で,日本人の40歳以上のCOPD患者数は530万人 (推定) にものぼり,また,全世界におけるCOPDによる死者は,現在までに300万人を超えています (世界の死亡順位第3位).一般に,COPDは喫煙型と非喫煙型が存在しますが,多くは喫煙型にあたるため,禁煙が第1選択治療となっています.しかし,禁煙の徹底の難しさから,患者数は増加の一途をたどります.現在,COPD患者には,気管支拡張薬とステロイド剤による治療が行われていますが,これらは,あくまでも対症療法 (症状を抑える治療) であり,根治療法ではありません.したがって,病気のメカニズムに基づいた新しい治療薬の開発が望まれていますが,ヒトの病気の症状を忠実に再現するモデルマウスが存在しないことがボトルネックになっていました. 首藤剛准教授らは,喫煙暴露を必要としないCOPDモデルマウスの作成を,国内において初めて成功し,その症状 (粘液の気管支内への貯留,肺機能の低下,肺気腫,肺の炎症など) が,COPD患者のものと極めて類似性が高いことを明らかにしました.このため喫煙型・非喫煙型に関わらず,全てのCOPDの病気の理解と薬物治療に有益な情報を提供することを可能にしました.また,薬学的および遺伝学的なアプローチを駆使して,「酸化ストレス」を抑制する既存の抗酸化薬N-アセチルシステイン (NAC) と,抗酸化ビタミンであるビタミンC (VC) が,このモデルマウスの症状の進展に関与することを明らかにしました.さらに,「セリンタンパク質分解酵素」を抑制するONO-3403が,高い治療効果を発揮することを明らかにしました. なお,首藤剛准教授らが開発したモデルマウスで活性化されているENaC (上皮型ナトリウムチャネル) という分子は,欧米で極めて頻度の高い遺伝病