<p><tt>大型の食器洗浄機が導入されている大量調理施設の厨房室は，高温多湿となりやすい．本研究の目的は，暑熱環境で既存厨房服を着用して洗浄作業をした時に，体に与える影響を明らかにすることである．平均年齢</tt>61.6 <tt>歳の健常な</tt>5 <tt>名の女性が，既存厨房服または防水服（対照）で</tt>45 <tt>分間の食器洗浄作業を行った．主観的疲労感，唾液α</tt>-<tt>アミラーゼと口腔温の測定を，作業開始前，作業開始</tt>30 <tt>分後および</tt>45 <tt>分後，および作業終了</tt>15 <tt>分後に行った．作業開始</tt>30 <tt>分後および</tt>45 <tt>分後は，既存厨房服着用群および防水服着用群（対照）ともに，何れの測定項目においても作業前に比較して有意に高値を示した．作業終了</tt>15 <tt>分後の既存厨房服着用群の口腔温は，作業前に比較して有意に高値を示した．しかし，対照群における口腔温は作業開始前と有意な差を認めなかった．防水着は，既存厨房服に比較して，食器洗浄作業の労働負担を軽減することが示唆された．</tt></p>