論文

2018年7月

左開胸アプローチによる弓部下行大動脈人工血管置換術を行った慢性大動脈解離切迫破裂の1例

愛仁会医学研究誌
  • 杉山 博信
  • ,
  • 当广 遼
  • ,
  • 三里 卓也
  • ,
  • 岡本 一真
  • ,
  • 林 太郎
  • ,
  • 戸部 智

49
開始ページ
35
終了ページ
37
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(社医)愛仁会本部

症例は54歳男性で、胸痛のため救急搬送となり、CTにて上行大動脈から右総腸骨動脈に至る大動脈解離と後縦隔血腫を指摘され、手術目的で当院搬送となった。搬送時はショックバイタルであり、CTにて急性大動脈解離stanford A型と診断し緊急で手術を行った。その術中所見にて慢性解離であったことが判明した。慢性A型大動脈解離の遠位弓部もしくは近位下行大動脈よりの切迫破裂であると判断して、まず上行置換のみを行い、後日左側開胸下に弓部下行大動脈置換術を行う方針とした。瘤径が収束するTh7レベルで大動脈を切り離し、二連銃にて縫合する方針とした。肋間動脈からの出血は結紮縫合止血と瘤外クランプでコントロールした。その際にMEPに変化はみられなかった。末梢大動脈の解離内膜を一部切り離し、内外周にフェルトを巻き4-OSHのhorizontal sutureにてトリミングしたのち、graft末梢を4-OSH1で連続縫合した。術後経過は良好で、術後7日目にICU退室となった。

ID情報
  • 医中誌Web ID : 2019060905

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