2008年
応答的環境下における超重症児の不随意的微小運動と心拍数の変化について
特殊教育学研究
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- 巻
- 46
- 号
- 2
- 開始ページ
- 81
- 終了ページ
- 92
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.6033/tokkyou.46.81
- 出版者・発行元
- 日本特殊教育学会
本研究の目的は、視覚聴覚二重障害を有する一超重症児を対象として、日常的にほぼ唯一観察可能な下顎の不随意的微小運動と心拍数変動を手がかりとする取り組みの妥当性を検討することである。本研究の第1期23セッションにおいては、初期の観察に基づき不随意的運動へのフィードバック場面を設定した。すなわち、顎の動きに伴ってスイッチが作動し、一定時間音楽に伴うスピーカーの触振動が両手に伝わるようにすると、顎の動きの増加がみられた。第2期17セッションにおいても、音楽やかかわり手の声が触振動刺激として両手に与えられると、第1期と同様、顎の動きの増加傾向がみられた。第2期では、触振動刺激が与えられている期間の心拍数変動にも着目した。その結果、一過性反応は見いだされなかったが、持続性反応として平均心拍数が上昇あるいは下降方向に推移することがみられた。以上の結果より、最重度障害児の不随意的運動に着目し応答的環境を設定することには一定の意義があることが見いだされた。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.6033/tokkyou.46.81
- ISSN : 0387-3374
- CiNii Articles ID : 110007329113
- CiNii Books ID : AN00172513