共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2022年3月

共生微生物の感染は染色体分化・生殖隔離を促進するか?:短翅性バッタにおける検証

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
17H03722
体系的課題番号
JP17H03722
配分額
(総額)
17,160,000円
(直接経費)
13,200,000円
(間接経費)
3,960,000円

サッポロフキバッタの集団解析については,昨年度次世代シーケンサーによる解析で取得したSNPデータを詳細に解析した.その結果,染色体型からは判読できない隠れた集団構造が存在していることが新たに判明した.また別の核型を持つ個体が隣接している集団に浸透した痕跡も検出できた.
また次世代シーケンサーによるデータから,共生微生物やミトコンドリアDNAの配列を効率的に抽出する方法を開発するため,サッポロフキバッタのミトコンドリアDNA全長の配列決定を試みた.これまでのところ一部領域を除き,90%以上の領域決定が完了した.また微生物の種類やタイプを判定するための効率的手法についても検討をおこなった.
また野外調査とサンプリングを実施し,次世代解析に含まれていない地点からのサンプリングを実施した.採集した個体から生殖腺を抜き出し,核型判別を実施中である.
またこれまでの調査から,北海道一部地域に体が黒化している集団が発見されている.この黒色型の集団が維持されているメカニズムを行動実験,交配実験の両面から明らかにするため,実験に適した集団を決定するべく,緑色型と黒色型が最も近いところで接している地域を探索した.調査の結果,これまでの知見と大きく異なり,黒色型が非常に広範囲に分布している事が明らかになった.黒色型はごく狭い範囲に生息する特殊な地域集団だと考えられていたが,その生息地よりも少なくとも北は45キロ,東は27キロに及ぶ広範囲で生息している事が明らかになった.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17H03722
ID情報
  • 課題番号 : 17H03722
  • 体系的課題番号 : JP17H03722