基本情報

所属
専修大学 国際コミュニケーション学部 准教授
学位
Ph.D.(ケンブリッジ大学)

研究者番号
60712643
J-GLOBAL ID
200901012651060199

19世紀のドイツ語圏は、近代的な自然科学が急速に発展したことで有名ですが、一方では町々に自然科学クラブや研究会が作られ、それらが今度は博物館を作り、と市井の人々の間でも自然科学研究や教育が盛り上がった時期でもありました。私が研究しているフランクフルトでも、1817年にゼンケンベルク自然研究協会という自然誌のための協会が作られ、当時のヨーロッパでは5本の指に入る自然誌博物館を作りました。今も町にあるゼンケンベルク博物館がそれです。協会の会員になったのは、医師や教師、商人など、他に本業を持つ市民たちでしたが、協会で彼らが行った動物学や植物学の研究は、時として学界に大きな影響を与えるほど高度で独自のものでした。

こうした、民間の協会や結社を舞台にはぐくまれる科学の研究と教育。それはこれらの結社やクラブが活動した都市に暮らす人々の生活とも、深く結びついたものでした。それでは、フランクフルトという都市の政治文化や経済、社会の動きと、同じ都市で展開される自然科学の実践はどのように関わり合っていたのでしょうか? 私は、結社文化を基盤に「公」の領域で発展した当時の自然科学の実践には、生活世界だけでなく、政治や社会構造を変える力さえあったと考えます。例えば博物館に寄付をするスポンサーとして、例えば異国の動植物を紹介する記事を楽しむ読者として、例えば集めた昆虫標本を仲間に披露するコレクターとして、多様なあり方で科学知は日常生活に介在し、ひとつの都市の姿を変えてゆく力になりました。単著Science and Societies in Frankfurt am Mainでは、そうした科学と都市の変わりゆく関係性を軸に19世紀のフランクフルトを見てゆきました。


東京生まれ。育った町は東京、プラハ、ベルリン、浦安。
学んだ町は東京、デュッセルドルフ、ケンブリッジ。
研究している町は19世紀のフランクフルト。

研究キーワード

  6

書籍等出版物

  5

論文

  11

MISC

  5

講演・口頭発表等

  20

共同研究・競争的資金等の研究課題

  4