2016年4月 - 2019年3月
東南アジアにおけるLGBTの比較政治研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
東南アジアでは、民主体制は必ずしも「LGBT運動」の拡大にも、性的少数者の権利付与にも寄与しない。ここから二つの議論を立てた。まず、諸国家による性的少数者への多様な対応は、いかに支配勢力が「善き国民・市民・家族」の像に関するヘゲモニーを市民社会に行使し、性的少数者を正統性/非正統性の象徴として利用しているかによる。性的少数者は進歩、市場、民主主義の象徴にもなるし、道徳的退廃の象徴にもなるので、支配勢力にとって自らの正統性を強化するのに都合が良い。次に、性的少数者の多様な実践は、彼らが「善き国民・市民・家族」のヘゲモニーに対して、参加、再定義、破壊のいずれで対処しようとしているかによる。
- ID情報
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- 課題番号 : 16H03308
この研究課題の成果一覧
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論文
3-
日下渉他編『東南アジアと「LGBT」の政治』 324-346 2021年4月
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東南アジアと「LGBT」の政治——性的少数者をめぐって何が争われているか 36-62 2021年 招待有り
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人文學報 115 107-130 2020年6月 査読有り
書籍等出版物
1-
明石書店 2021年4月11日 (ISBN: 4750351644)
講演・口頭発表等
3-
SEASIA Biennial Conference 2019 2019年12月6日
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THE 5TH International Conference on Urban Studies: Border, Transportation, and Space 2019年10月26日 招待有り
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LGBT in Asia Research Group Meeting (Taipei, Taiwan) 2018年10月28日 招待有り